トルクレンチを使う前にタップ・ダイスを掛ける必要性

トルクレンチを使う前にタップ・ダイスを掛ける必要性

バイクのパーツは全てボルト類とパーツによって組み合わされています。
ボルトをトルクレンチで指定トルクで管理しても、ねじ山に異物が付着していればそのネジは脱落する場合があります。
そのボルトがキャリパーやスプロケットの場合、ブレーキが効かなかったり、あるいは後輪がロックする等して重大な事故を引き起こしてしまうのです。

以前、トルク管理してもネジが脱落した経験があるので、皆様に安全に乗って頂く為にもトルクレンチを使用する前にねじ山にタップ・ダイスを掛けて頂ければと思います。
DIY整備では特にトルク管理が重要です。

トルクレンチの本来の役割

トルクレンチの本来の役割は、ボルトの軸力を指定の数値にする事にあります。
ボルトは伸びる事によってパーツとパーツを引き寄せあって固定されています。
ここで重要なのがボルトの伸びている力である”軸力”です。
トルクレンチが計測しているのは”締め付けトルク”と呼ばれるものです。
軸力ではありません。

締め付けトルク 軸力 グラフ

本来、軸力を計測したいのですが軸力を計測する機械は非常に高価なので、上記表のように軸力と比例して上がる”締め付けトルク”を計測できるトルクレンチが一般的に利用されています。
しかし、ねじ山に汚れが付着していると軸力に対して締め付けトルクが比例して上がっていきません。
汚れが抵抗になり早く指定の締め付けトルクに達してしまいます。
要するに、締め付けトルクは指定値になったのに重要な軸力は指定値に達していない事になります。
冒頭で以前ネジが脱落したと話しましたが、原因はこの軸力が指定値まで達していなかった事と考えられます。

反対に汚れが付着している状態でも、トルクを掛け過ぎて締め付け続けると指定トルクに達せずにネジが切れる事もあります。

“手ルク”について

“手ルク”と聞いた事があると思います。
トルクレンチを使用せず整備する方の感覚で締め付ける事です。
経験を積んだ方が手ルクで締め付ける方が、汚れが付着している状態でトルクレンチを使用するより私は高精度で締め付け出来ると思います。
先ほどボルトは伸びるといいましたが、ボルトを締め付けていくと仮止め時点で固くなります。更にそこから締め付けるとボルトが伸びる感覚が手に伝わってきます。
その伸びている感覚を経験で感じ取って手ルクで締め付けている熟練された整備士の方々は、汚れが付着した状態でのトルク管理より精度は良いと思います。
軸力を感じとる点で手ルクは汚れが付着している状態でのトルクレンチによるトルク管理より正確で素早く対応できると思います。

しかし、熟練された整備士より機械の方が正確なのでDIY整備する場合はタップ・ダイスを掛けた後にトルクレンチでトルク管理して頂きたいと思います。

 

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