ブレーキランプのタイミング調整方法

2020年7月18日メイン整備記事,ブレーキ系

ブレーキペダルの高さ調整を行った際はブレーキランプの点灯タイミングが狂ってしまうので、忘れずにブレーキランプスイッチの調整を行いましょう
ブレーキランプスイッチは参考車両のように分解可能なタイプがあり、内部を清掃・グリスアップを行う事で点灯タイミングを正確にする事も出来ます。

今回はブレーキランプの調整方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。

整備情報

  • 調整時期:
    • リアブレーキマスターシリンダーO/H時
    • ブレーキペダルの位置調整時
    • リアブレーキを踏んでもブレーキランプが点灯しない・点灯が遅い・点灯が早い時
    • ブレーキランプが消灯しない時
  • 時間: 約5分
  • 費用: 無料
  • ショップ工賃: 約500円
  • 難易度: ★☆☆☆☆

ヒールガードヒールガード取り外し

撮影上、ヒールガードとステップホルダーを取り外して解説させて頂きます。

作業手順

1.ブレーキランプスイッチの位置確認

リアブレーキマスターシリンダー-2リアブレーキランプスイッチ 位置確認リアストップスイッチ

ブレーキランプスイッチは右ステップの裏側、もしくはその周辺に取り付けられています

2.ブレーキランプスイッチ調整

リアブレーキランプ 調整中2

ブレーキランプスイッチ上部をつまんで引き上げた後、調整用ナットを回転させて調整します。

ブレーキランプスイッチ時計回り-3ブレーキランプスイッチ反時計回り-2

  • 調整用ナットを時計回りに回す:点灯タイミングが早くなる
  • 調整用ナットを反時計回りに回す:点灯タイミングが遅くなる

ブレーキランプの点灯タイミング目安は、ブレーキが掛かり始める少し前に点灯するように調整しましょう。

ブレーキランプスイッチ ステーに密着しているか確認

調整後、調整用ナットをホルダーに固定しましょう。

調整用ナットが固定されていない例

ブレーキランプスイッチが浮いている

調整用ナットが浮いている様子が確認できます。
固定されていないとブレーキランプの点灯タイミングが早まってしまいます
調整に気を取られてホルダーへの固定を忘れてしまう場合があるかと思うので注意しましょう。

イグニッションONキルスイッチOFF

イグニッションキーをONにした後、キルスイッチがある場合はOFFにしてブレーキランプの点灯タイミングを確認しましょう。

リアブレーキランプ 確認1リアブレーキランプ 確認2

ブレーキペダルを手で押してブレーキランプのタイミングを調整しましょう。
最後は、実際に車体に跨り足で踏んで確認・微調整しましょう。

まとめ

  • ブレーキランプスイッチ調整時、ブレーキランプスイッチ上部をつまんで持ち上げた後、調整用ナットを回転させてタイミングを調整する
  • ブレーキランプスイッチ調整後、調整用ナットはホルダーに固定する
  • ブレーキランプの点灯タイミング確認時、キルスイッチはOFFにする

Q&A

  • ブレーキランプの点灯が不安定気味なのですが、どうすれば良いでしょうか?
    • 配線の通りをサービスマニュアルのワイヤリング図で確認して配置しましょう。配線は、適正な位置を通らないとブレーキランプスイッチに負荷が掛かり接点の接触不良になる場合があります。
      ブレーキランプスイッチのロッド部分にホコリなどの異物が付着するとロッドの動きが渋くなるので点灯タイミングが一定にならず、毎回タイミングが早まったり遅まったりする場合があります。ブレーキランプスイッチを分解できれば分解してロッド部分に万能グリスを薄く塗布すると改善しますが、塗布量が多いとスイッチの不具合を引き起こす可能性があるので薄く塗布しましょう。もしくはブレーキランプスイッチを交換しましょう。
  • ブレーキランプが常時点灯しているのですが、どうすれば良いでしょうか?
    • ブレーキランプスイッチの調整ナットがしっかり固定されていない可能性があるので、再度取り付け具合を確認しましょう。
      それでも改善しない場合は、スイッチが故障している可能性があるのでブレーキランプスイッチを取り外して、イグニッションキーをONにしてピンを引き押ししてブレーキランプに変化があるか確認しましょう。点灯が不安定になるようならブレーキランプスイッチを交換しましょう。
      症状が変わらないようなら、ブレーキランプスイッチの配線を取り外してからイグニッションキーをONにしてブレーキランプが消灯するのを確認して、ジャンパー線でプラスとマイナスを繋げて(短絡。ショートともいう。)してブレーキランプが点灯すればブレーキランプスイッチが原因なので交換しましょう。
  • キルスイッチをOFFにしてブレーキランプの点灯確認をしていますが、なにか理由があるのでしょうか?
    • キルスイッチをONにしてイグニッションキーをONにすると、イグニッションコイルに負荷が掛かるので整備で動作確認する際にセルを回さないときはキルスイッチをOFFにしましょう。
  • ブレーキランプスイッチの仕組みはどのようになっているのでしょうか?
    • リアブレーキランプ 調整中ブレーキランプスイッチ 接触
      ブレーキランプスイッチ 仕組みブレーキランプスイッチはブレーキペダルと連動しており、ブレーキペダルを踏むことによりブレーキランプスイッチ内部の接点が導通することでブレーキランプが点灯します。
      ブレーキランプスイッチ 調整ナット-2調整用ナットを位置を上下に変えることで導通するタイミングを早く・遅くすることでブレーキランプのタイミング調整を行います。

ブレーキ簡単用語解説

  • ブレーキパッド:ブレーキディスクと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。キャリパーに装着されている。
  • パッドスプリング:ブレーキパッドにテンションを与えブレーキパッドの脱落防止の役割。
  • パッドピン:ブレーキパッドを保持する役割。
  • ピンプラグ:パッドピン脱落防止の栓
  • シム:ブレーキの鳴き防止とブレーキフルードへの断熱の役割。
  • ブレーキディスク:ブレーキパッドと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。ホイールに装着されている。
  • ブレーキキャリパー:ブレーキパッドをブレーキディスクへ押さえつける役割。
  • キャリパーピストン:ブレーキパッドを押す
  • ダストシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、雨水やほこりをキャリパー内に入り込ませない役割。
  • オイルシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、キャリパー内のブレーキフルードを留めておく役割。
  • リザーバータンク:ブレーキフルードを一時的に保管する場所。ブレーキフルードが減少すると外から空気が補充して常に大気圧をちブレーキフィーリング低下を防ぐ。
  • ブリーダー:ブレーキフルード交換時にブレーキフルードを排出する役割。
  • ブレーキマスター:ブレーキフルードを圧送する役割。
  • ブレーキレバー:ブレーキマスターのピストンを押し、ブレーキマスターを機能させる役割。
  • テールランプ::後続車へ走っている事を知らせる車体後方のライト。

 

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