プラグ

スパークプラグとは

混合気(ガソリンと空気)に点火するパーツ。
燃焼室に入ってきた混合気を圧縮した時に、プラグでスパークを飛ばして火種を作って混合気に着火する。
プラグはスパークで着火すると思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、スパークして火種(火炎核)を作ってその火種に混合気が着火します。

スパークプラグの交換時期(バイク用)

NGK

一般・白金・イリジウムIXプラグ:3,000~5,000km
白金プラグ(長寿命タイプ)・イリジウムプラグ(長寿命タイプ):現在設定無し

DENSO

一般的:3,000~5,000km
Iで始まる型式:20,000km

スパークプラグの本当の物理的な寿命は、失火が始まる頃になります。失火すると混合気(燃料と空気)が燃えずにマフラーに入っていくので燃費も悪くなりますし、カーボンが溜まりエンジンが不調になっていきます。
経済的な交換時期として、上記に記載した数値を参考にして下さい。

プラグの交換方法

プラグの交換方法 抜粋

1.プラグの取り外し

イグニッションコイルのステー固定ボルト 取り外しイグニッションコイルのステー固定ボルト 取り外しイグニッションコイルの取り外し

参考車両の場合、作業の支障となるイグニッションコイルのステーを取り外します。

ラジエター固定ボルト 取り外しラジエター固定ボルト 取り外しラジエター 取り外し

参考車両の場合、ラジエターの固定ボルトを取り外してラジエターを前方に出します。
プラグホールの上に被さるようにヒートガードが取り付けられており、ラジエターの上部のフックに取り付けられており外さないとプラグを取り外す事が出来ません。

ヒートガード 取り外しヒートガード 取り外しヒートガード 取り外し

ラジエターのツメを立てた後ヒートガードを取り外します。

シリンダヘッド ホコリ 清掃シリンダヘッド 汚れプラグコード 汚れ

走行中に小石や砂ぼこりを巻き込んでシリンダヘッド周辺に付着しているのでエアブローしましょう。

プラグコード 引き抜くプラグコード 引き抜くプラグコード 引き抜く

プラグキャップをシリンダヘッドに対して垂直に引いて取り外しましょう。

プラグコード マーキングプラグコード マーキング

プラグキャップが繋がっていた気筒へマーキングをしておくと良いでしょう。
車体に跨った状態で左から1番2番3番4番と数えます。

プラグホール エアブロー

プラグホールをエアブローして異物を排出して下さい。
異物が入っているとプラグを外した際にエンジン内に侵入してしまうので必ずエアブローしましょう。

プラグレンチ 取り付けプラグレンチ 取り付けプラグレンチ 取り付け

プラグレンチをプラグホールから挿入してプラグに取り付けましょう。
プラグレンチがフレーム等に接触して入らない場合は車載工具に入っている純正のプラグレンチを使用しましょう。

プラグレンチ 垂直に立てて回す プラグレンチ 垂直に立てて回す2

プラグレンチをメガネレンチを使用して緩めましょう。
緩まない場合はスピンナハンドルにソケットを付けて緩めると良いでしょう。

プラグの取り外し

プラグホールに接触しないように慎重にプラグを引き抜いて取り外しましょう。
プラグホールに接触すると異物が落ちてエンジン内に入り込む可能性があるので注意しましょう。

プラグのマーキング

取り外したプラグには気筒の番号をマーキングしておくと良いでしょう。
碍子(ガイシ)には記載せず、六角ナットの部分にマーキングしましょう。

プラグレンチ ラチェットハンドル 緩めるプラグ 取り外す 1番目プラグ 取り外す 4番目

他のプラグも同様に取り外しましょう。

2.清掃

プラグ 接地電極 カーボンを落とすプラグ 接地電極 カーボンを落とすプラグ 接地電極 カーボンを落とす

プラグを再利用する場合はプラグの接地電極のカーボンを配線ドライバー等で優しく擦って除去しましょう。
中心電極と接地電極には触らないように注意して下さい。

プラグ 接地電極 カーボンを落とすスパークプラグ カーボン落とし真鍮ブラシ 毛先 5mm

接地電極の側部は毛先を短く切った真鍮ブラシを使用すると良いでしょう。
真鍮ブラシの先端は5mm程にカットして中心電極に接触しないように注意して清掃しましょう。

スパークプラグ パーツクリーナースパークプラグ パーツクリーナースパークプラグ 清掃後

清掃後はパーツクリーナーで汚れの除去と脱脂しましょう。

スパークプラグ 端子ナットスパークプラグ 端子ナット 締め付けるスパークプラグ 端子ナット 締め付ける

プラグの頭に端子ナットが取り付けられている場合は、緩み易いのでプライヤーで締め付けた後少し潰してカシメておくと良いでしょう。

スパークプラグ 端子ナット 締め付け 確認スパークプラグ 端子ナット 締め付け 確認

カシメたら端子ナットが緩まないか確認しましょう。

3.スパークテスト

プラグキャップ スパークプラグ 取り付けプラグキャップ スパークプラグ 取り付けプラグキャップ スパークプラグ 取り付け

プラグキャップにプラグを取り付けましょう。

スパークプラグ 点検スパークプラグ 点検

プラグキャップにプラグを取り付けてからボディに確実に接触(アース)させましょう。

イグニッションキー ONセルフスターター 押す

イグニッションキーをONにしてセルフスターターのスイッチを押しましょう。

スパークプラグ スパークテストスパークプラグ スパークテスト

プラグからスパークするかを確認しましょう。
上記画像を拡大すると1番4番と2番3番がスパークしているのが確認できます。プラグを確実にアースさせないとスパークが発生しないので注意しましょう。塗装面は流れない場合があるのでシリンダヘッド等の塗装されていない箇所にアースしましょう。

スパークプラグ スパークテストスパークプラグ スパークテスト

暗くすると強くスパークしているのがよく分かるかと思います。

スパークプラグ プラグキャップ 取り外しスパークプラグ プラグキャップ 取り外し

プラグキャップからプラグを引き抜いて取り外しましょう。

4.プラグの取り付け

スパークプラグ プラグレンチ 取り付けスパークプラグ プラグレンチ 取り付けスパークプラグ プラグレンチ 取り付け

プラグレンチにプラグを押し込んで取り付けましょう。

スパークプラグ シリンダヘッド  取り付けスパークプラグ シリンダヘッド  取り付け

プラグをシリンダヘッドに当たらないように挿入して手で締め付けましょう。

スパークプラグ 締め付け 30度スパークプラグ 締め付け 30度スパークプラグ 締め付け 30度

プラグレンチを左手で保持しながら、プラグの締め付けが固くなった箇所から新品・再使用共に約30度締め付けましょう。
基本的に角度締めで良いですがトルク管理する場合はこちらをご覧下さい。

プラグキャップ 接点復活剤 吹く.

プラグキャップ内に接点復活剤を吹いておきましょう。

プラグコード スパークプラグ 取り付けプラグコード スパークプラグ 取り付けプラグコード スパークプラグ 取り付け

プラグキャップを押し込んでプラグに取り付けましょう。
プラグの頭に端子ナットが取り付けられている場合は「カチ」と感触があります。端子ナットが取り付けられておらずネジ山が露出している場合は「カカカカ」と感触があるので奥まで押し込みましょう。
社外のプラグコードに交換している場合は取り付けし難いので確実に押し込みましょう。

ヒートガード 取り付けヒートガード 取り付けヒートガード 取り付けヒートガード 取り付け

ヒートガードを取り付けましょう。
参考車両の場合はラジエターの爪にヒートガードを取り付けるのですが、取り付けを怠るとラジエターの電動ファンに当たって動作不良を起こす場合があるので確実に取り付けましょう。

ラジエター 取り付けラジエター 取り付けラジエター 取り付け

取り外したラジエターを取り付けましょう。

イグニッションコイル 車体 取り付けイグニッションコイル 車体 取り付け

取り外したイグニッションコイルのステーを取り付けましょう。

プラグ熱価の選び方

プラグの熱価の選び方は、温度によって決めます。プラグが最適な温度(約500~950℃の範囲内)で使用するために熱価を選びます。
熱価は基本純正の番手で使用します。

プラグの状態は以下の図を参考に判断してさい。

プラグ 焼け具合 NGK

引用:日本特殊陶業株式会社(NGK SPARK PLUGS) プラグ温度と焼け具合

焼けすぎ:白っぽい
良好:きつね色(4stエンジンは、完全に狐色にならず、多少黒っぽい状態で良好です)
くすぶり:黒い

対策

焼けすぎの場合プラグの番手を上げる(7→8)
良好の場合→現状の番手で使用
くすぶりプラグの番手を下げる (8→7)

詳しい説明

 

スパークプラグ 各部名称

引用:日本特殊陶業株式会社(NGK SPARK PLUGS) プラグの構造

低熱価プラグとは、碍子が長く熱放散が少ないので中心電極の温度は上昇し易いプラグです。
高熱価プラグとは、碍子が短く熱放散が大きいので中心電極の温度は上昇し難いプラグです。

プラグの番手が低い低熱価プラグは、プラグの温度が上がり易いので、高温になるエンジンに使用するとプラグが許容温度を超えて溶けてしまいます。
溶けるとプラグの接地電極が溶け落ちて、シリンダーやピストンを傷付けたり、接地電極が無くなったプラグはピストンヘッド(ピストンの頭)にスパークする場合があり、ピストンに穴が開いて圧縮が漏れてエンジンが損傷する場合があります。

反対に、プラグの番手が高い高熱価プラグを入れると、プラグにカーボンが付着し、焼き切れずスパーク出来無くなり混合気に着火出来ず、エンジンは停止します。
プラグには、自己洗浄温度というプラグ自身で汚れを落とす温度があります。自己清浄温度は、大体450℃~です。
450℃以上になると燃焼によって自然とプラグに付着したカーボンが除去出来ます。

バイク用スパークプラグの種類

NGK

一般プラグ

一般プラグ

【品番例】
BKR6ES
【用途】
四輪車用・二輪車用
グリーンプラグ

グリーンプラグ

【品番例】
BKR6E
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 中心電極に90°の溝加工をして、火花が飛びやすくなっています。
  • 中心電極の外周よりでスパークするため、電極の消炎作用が少なく着火性が向上します。このため、始動、アイドル、加速時に効果を発揮します。
白金プラグ

白金プラグ

【品番例】
PFR5G
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 中心電極に白金を使用し、また外側電極の放電部にも白金を採用することによって電極消耗を抑えることができるため、高性能ロングライフプラグです。
イリジウムプラグ

イリジウムプラグ

【品番例】
IFR5J11
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 中心電極にイリジウムを使用し、また外側電極の放電部にも白金を採用することによって電極消耗を抑えることができるため、高性能ロングライフプラグです。
  • IFR5J11は、外側電極に角棒状の白金を採用することにより、より耐久性を向上したプラグです。

イリジウムプラグ

【品番例】
ILFR6D11
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 中心電極にイリジウムを使用し、さらに外側電極に棒状のプラチナを採用することにより、極限まで、消炎作用を少なくした高性能ロングライフプラグです。
  • トヨタシエンタなどに採用されております。

イリジウムプラグ

【品番例】
SILFR6A
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 外側電極の被りを少なく、更にテーパーカットを施したプラグです。火炎が広がる際に外側電極による消炎効果が少ないため、着火性能に優れます。スバル インプレッサなどに採用されてます。
多極プラグ(ハイブリッド3極プラグ)

多極プラグ

【品番例】
PZFR5N-11TG
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 通常時には、メインの電極間で飛火します。
  • くすぶり気味になった時、サイドの電極間で飛火し、カーボンを焼き切るため、汚損に強いプラグです。
  • アウディA4直噴エンジンに採用されております。
    (日本特許番号 3140006,3272615)
多極プラグ(2極・3極・4極)

多極プラグ

【品番例】
BKR6EK
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 外側電極を多極仕様にする目的は、電極消耗を分散させて耐久性を確保することです。また、多極プラグは、放電特性(要求電圧を下げる)を改善する効果があります。
  • セミ沿面放電プラグ、BKR6EQUP(絶縁体の表面をスパークさせる)タイプの電極形状は、スパークによって、カーボンを焼き切るため、汚損に強いプラグです。

多極プラグ

【品番例】
BKUR6ET
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 外側電極を多極仕様にする目的は、電極消耗を分散させて耐久性を確保することです。また、多極プラグは、放電特性(要求電圧を下げる)を改善する効果があります。
  • セミ沿面放電プラグ、BKR6EQUP(絶縁体の表面をスパークさせる)タイプの電極形状は、スパークによって、カーボンを焼き切るため、汚損に強いプラグです。

多極プラグ

【品番例】
BKR6EQUP
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 外側電極を多極仕様にする目的は、電極消耗を分散させて耐久性を確保することです。また、多極プラグは、放電特性(要求電圧を下げる)を改善する効果があります。
  • セミ沿面放電プラグ、BKR6EQUP(絶縁体の表面をスパークさせる)タイプの電極形状は、スパークによって、カーボンを焼き切るため、汚損に強いプラグです。
突き出しプラグ

突き出しプラグ

【品番例】
ZFR5F
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 発火部突き出し型のプラグです。ホンダやマツダの4輪車に採用されています。

突き出しプラグ

【品番例】
IZFR6K11
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 発火位置を燃焼室の中心に近くすることで、安定した燃焼を得ることができます。ただし、突き出しプラグは、指定以外のエンジンに使われますと、ピストン、バルブなどに当たりますので、指定以外の車種には使用できません。
  • 金具突出しタイプは、外側電極を短くでき、熱、振動による負荷を軽減できます。
沿面プラグ

沿面プラグ

【品番例】
BUHW-2
【用途】
四輪車用・二輪車用
<特徴>

 

  • 外側電極のないプラグです。主に振動の激しい船外機に採用されています。また、F1などレースでも使用されることがあります。

●スパークプラグの種類(外観形状)

BPR6HS

【品番例】
BPR6HS
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • 2輪車の2サイクルエンジン(スクーター)に多く採用されています。

DPR8EA-9

【品番例】
DPR8EA-9
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • 六角対辺寸法18.0mmのこのタイプは2輪車の4サイクルエンジンに採用されています。

DR6HS

【品番例】
DR6HS
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • 2輪車の4サイクルエンジン(古い空冷エンジン)に採用されています。

CR8E

【品番例】
CR8E
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • 2輪車の高出力4サイクルエンジンに採用されています。

CR8EH

【品番例】
CR8EH
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • ホンダ「CBR400R」等に採用されています。
  • 取付ねじの部分が特殊な形状になっています。指定以外の車種に使用するとシリンダーヘッドのプラグ取付ねじ穴等に損傷を与えます。指定の車種にのみご使用ください。

CR6HSA

【品番例】
CR6HSA
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • 2輪車小排気量4サイクルエンジンに採用されています。

IMR9C-9HES

【品番例】
IMR9C-9HES
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • CR9EH-9のイリジウムプラグです。
  • ホンダCBR1000RRなどに採用されています。

MAR10A-J

【品番例】
MAR10A-J
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • ネジ径10mmの2極プラグです。
  • 六角対辺寸法が14.0mmと通常(16.0mm)より小さいため、専用のプラグレンチが必要です。
  • DUCATI1098などに採用されてます。

LMAR8A-9

【品番例】
LMAR8A-9
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • ネジ径10.0mmのロングリーチプラグです。
  • 六角対辺寸法が14.0mmと通常(16.0mm)より小さいため、専用のプラグレンチが必要です。
  • ホンダ/ヤマハのオフロード車に採用されています。

ER9EH

【品番例】
ER9EH
【用途】
二輪
<特徴>

 

  • ホンダ「VFR400R」等に採用されています。
  • 取付ねじ径8.0mm、六角対辺寸法13.0mmの小型プラグです。

注)取付ねじが径8.0mmと細いので締め過ぎにご注意ください。
  ●規定締付トルク…0.8~1.0kg-m

DENSO

 

12mm
■ 12mm
X24ESR-U. X24EPR-U9
● 12xL19x18
● ホンダ・スズキ・ヤマハ

10mm
■ 10mm
U27ESR-N. U24EPR9
● 水冷4サイクルエンジンの主流タイプ。
● 10xL19x16
● ホンダ・ヤマハ・スズキ・カワサキ

10mm2極
■ 10mm2極
U31ETR
● 接地電極を2極にしたことにより耐熱・耐振性が向上。
● 10xL19x16
● カワサキ・スズキ

10mm0.4イリジウム
■ 10mm0.4イリジウム
IU27D
● 10xL19x16
● スズキ・ヤマハ

10mm0.4イリジウム
■ 10mm半ねじ
U27FER9
● 半ねじにより、絶縁碍子の強度向上に寄与。
● 10xL(6.3+12.7)x16
● ホンダ

10mm半ネジステンレスガスケット
■ 10mm半ねじ(ステンレスガスケット)
U24FER9S
● 10xL(6.3+12.7)x16
● ホンダ

10mm0.4イリジウム
■ 10mm半ねじイリジウム
VUH27ES. VUH27D
● 10xL(6.3+12.7)x16
● ホンダ
※ VUH27ESはステンレスガスケット

10mmハーフリーチ
■ 10mmハーフリーチ
U20FSR-U
● 空冷4サイクルエンジンの主流タイプ。
● 10xL12.7×16
● ホンダ・ヤマハ・スズキ

8mm半ねじ
■ 8mm半ねじ
Y27FER-C
● バブル径拡大等、エンジン設計の自由度拡大。
● 8xL(6.3+12.7)x13
● ホンダ

引用:株式会社デンソー(DENSO) 製品ラインナップ 

イリジウムプラグとは

中心電極にイリジウム合金という金属が使う事で、細くでき、より強いスパークを一点に集める事ができ大きな火種を作る事が出来ます。
大きな火種を作ることで、イリジウムプラグは一般的な標準プラグと比べて着火性が向上しています。

着火性が向上すると燃焼状態も向上し、結果的にトルク・燃費共に向上します。

イグニッションコイルの供給電圧とプラグの要求電圧について

イグニッションコイルとは、電圧を増幅させるパーツです。
イグニッションコイル手前に流れてきた12ボルトの電流をイグニッションコイルを通過する事で約30000ボルト(回転数により変動)にまで増幅します。

供給電圧とは、プラグへ供給する電圧の事で、イグニッションコイルで発生させた30000ボルトが供給電圧に相当します。

対して要求電圧とは、プラグが火種を作る為に必要な電圧の事です。
仮に要求電圧25000ボルトなら、供給電圧より下回っているので安定して火種を作れます。燃焼も安定します。

電極は消耗する

火花が放電する電極(主に中心電極)から酸化により消耗します。
消耗は電極の材質等によって変化し、イリジウムなどの材質は消耗量が少ない事から使用されています。
消耗の目安として、大体1万キロで0.1~0.15mm消耗します。プラグの中心電極と接地電極の隙間が開く事で要求電圧は高くなるので、失火が発生する可能性があります。
初めのうちは、中心電極が丸まる事により要求電圧が高まり、その後、プラグギャップが大きくなる(広くなる)事が要因とされています。
消耗しているプラグほど、新品交換した時の効果が体感できます。イリジウムプラグですと、より体感できます。

プラグシムとは

プラグをシリンダヘッドに取り付けた際に、プラグの向きによって燃焼状態が向上する。という考えの元からプラグの方向を決めるのに使われるシムです。
厚さを変える事により、プラグの角度を吸気側や排気側に向ける事が出来ます。
実際効果があるのかというと体感は難しいです。
以前、ホンダがF1に参戦するドキュメンタリー番組で、ドライバーがエンジン開発の担当者に「プラグの向きでもう少しパワーアップしないかな?」と話しかけている場面があり返答は「試してみたが、変化はみられなかった。」 ドライバー:「もう一度、やってみて」というやり取りがありました。ホンダが調べて一旦は変化が無いと判断したという事です。

プラグシムの理屈はこうです。
プラグの接地電極が吸気側に向くと、プラグが濡れにくく火種の生成を妨げにくいという考え。
プラグの接地電極が排気側に向くと、混合気の流れを妨げにくいという考え。
プラグの接地電極を吸気と排気の中間の位置に向くと、上記の効果が半分、もしくは良い所取りになるだろうという考え。
勿論、答えは分かりませんし、研究をしたらコンマ1馬力以下の差で結果は出てくるのかもしれません。

聞いた所によると、レースの世界で新品レース用プラグを大量に用意してシリンダヘッドに組み付けてた人もいるそうです。
圧縮を最大まで高まる箇所でプラグを取り付ける為に、プラグのガスケットを潰して指定トルクで締め付けた状態で、プラグの向きを意図した角度に向くように取り付けるのです。
しかし、プラグは締め付けた状態で全て向く方向が異なるので、意図する角度のプラグに辿り着くまで新品プラグを脱着していたそうです。

プラグに火が飛ばない状態で、セル(キック)を回し続けるとECUが破損する恐れあり

老舗バイクショップの社長からの情報です。
プラグが混合気によって湿気っている状態(カブっている状態)で、無理にエンジンを回し続けるとコンピュータ側に電気が帯電して、限界に達するとパンクするそうです。
実際、NSR250で起こった症状で、カブった状態でキックし続けて「エンジンが掛からない」と電話があり、調べてみたら原因はイグナイターのパンクだったそうです。
インジェクション車でもカブっている状態でエンジンを回し続けるとECUがパンクするとのこと。
原理としては、通常プラグは中心電極から接地電極に飛びますが、湿気っていると接地電極にスパークできず電気が帯電していくとの事。
ある程度帯電しても問題ないそうですが、キャパシティー(容量)を超えるとパンクするとの事です。

混合気にエンジンオイルが含まれている2サイクルエンジン車は特に注意が必要になりそうですね。

プラグは中心電極から接地電極に飛ぶ。その逆もまたある。

通常、プラグは中心電極から接地電極にスパークしますが、イグニッションコイルの種類によっては接地電極から中心電極に飛ぶ仕組みの物もあります。
参考車両のCBR400RR NC29も該当します。

通常、電気の流れとして
バッテリー→省略→イグニッションコイル→プラグケーブル→プラグの中心電極→プラグの接地電極→エンジン→フレーム→バッテリー
とバッテリーに帰ってきます。

しかし、接地電極から中心電極に流れる仕組みは以下の通りです。
バッテリー→省略→イグニッションコイル→プラグケーブル→プラグの中心電極→プラグの接地電極→エンジン→他気筒のプラグの接地電極他気筒のプラグの中心電極初めのプラグの中心電極初めのプラグの接地電極・・・
と、このようにバッテリーに戻らず、エンジン内でスパークしなくなるまでグルグル回っています。

エンジンを組んで動かない。それはプラグに原因があるかも?

エンジンを組む際に、各可動部やシリンダ壁に添加剤入りのエンジンオイルを塗布した場合、添加剤の成分がプラグ(新品・既存問わず)に付着してスパークしない場合が稀にあります。
一見、プラグが綺麗でも再度新品プラグに交換すると火が飛びエンジンが始動する場合があります。
スパークテストして、正常にスパークしていれば問題ありません。
原因が分からない場合は、プラグをパーツクリーナーで清掃するか交換も対応策に加えましょう。

 “テキトウなプラグ”は使用してはいけない

仮に、ストックしてあった農機具用のプラグがあったとします。
そのプラグをバイクに取り付けて、エンジンが始動出来たとしても使うべきではありません。
シリンダヘッドとプラグのネジリーチが合っていないと、ねじ山にカーボンが溜まってしまうからです。
プラグのネジリーチが長過ぎるとピストンと干渉してエンジンが損傷する可能性があります。
反対に、プラグのネジリーチが短すぎるとシリンダヘッドの雌ネジにカーボンが溜まり、次回適正なプラグを装着した際にカーボンをエンジンに落としてしまいます。
シリンダヘッドの雌ネジは、取り外さないとタップを立てて清掃するが出来ないので、必ず適正なプラグリーチの製品を使用しましょう。

Q&A

  • プラグの接地電極を広げるとパワーが出るといいますが本当ですか?
    • 本当です。
      プラグの接地電極を広げるという事は、火種を大きく作れる事を意味します。火種が大きくなれば混合気への着火性が向上するのでトルク向上が見込めます。
      しかし接地電極を広げるという事は、その分要求電圧も高まるので供給電圧が足りていないと火種を作れずに失火する可能性があります。
      プラグの接地電極を広げる場合は、プラグの接地電極と中心電極間のクリアランス(プラグギャップ)を目安として+0.1~0.3の範囲内、社外イグニッションコイルの交換により供給電圧が高まっているようなら目安として+0.1~0.6の範囲内に留めておくと良いでしょう。(社外イグニッションコイルにプラグギャップの記載がある場合は従って下さい)
      供給電圧を高めるには、社外の供給電圧が高いイグニッションコイルを変更するのが一般的です。ASウオタニというメーカーが販売しています。
      あるいは、イグニッションコイル手前に昇圧機を設置して12V入っていく所を13Vに上げる等すると供給電圧が高まります。但し、この場合純正のイグニッションコイルを使用するので電圧を上げ過ぎるとイグニッションコイルがパンクする恐れがあるので十分注意して下さい。
      余談ですが、以前私も昇圧機を自作で作り試してみました。バイクにはレギュレーターという電圧を制御する装置が取り付けられています。レギュレーターは、ジェネレーター(発電機)で作った電気をバッテリーに蓄電させる前に、13~14V程度の電圧に一定に制御するパーツです。電圧を制御しなければ、20Vなど高い電圧をバッテリーに送ってしまいバッテリーがパンクしてしまうからです。
      そんな電圧を制御するレギュレーターですが、アイドリングの時点では約12.5Vで安定しているのです。回転数を上げると13.5ボルトで安定しています。そこで、昇圧機を作りイグニッションコイル手前の電圧を常時13.5Vで一定の電圧をイグニッションコイルへ供給すれば、イグニッションコイルへ負荷を掛けずに低速トルク向上が見込めると思い、当時ネットで部品を集めて作りました。結果は、低速トルクが向上しました。例えるなら、ノーマルプラグをイリジウムプラグに変えた位の変化がありました。(車で使用)
      昇圧回路昇圧回路上の画像は、回路の試験用として作ったものです。青い矢印のが彫られたダイヤルが可変抵抗で、回すと供給電圧が変わります。確か12V~20V位まで変わったと思います。上の回路を基盤にはんだ付けして、プラスチックのケースに入れて配線が通る穴をケースに開けて防水用のパッキンを付けて完成です。1機1500円掛からず作れたと思います。
  • ライターでプラグを熱すれば始動性は上がると噂で聞いたのですが本当でしょうか?
    • 本当だと思います。実際に行ったことはありませんが、理屈としては合っていると思います。
      プラグの火種を妨げるのは電極(中心電極・接地電極)の面積です。面積が大きい程温度が電極に奪われ、スパーク力が弱まり火種も出来にくく(小さく)なります。
      始動時やアイドリング、低回転の加速の低下もプラグの温度の状態が関係しているとされているので、ライターで炙って温度を上げて冷めないうちに始動すれば多少は掛かりが良くなると思います。
  • プラグの番手を上げれば、エンジンのパワーは上がりますか?
    • プラグの番手を変更しても、エンジンパワーは上がりません。エンジンの温度に合わせて適正なプラグを装着するのが望ましいです。純正の番手をサービスマニュアルやネット等で確認して使用しましょう。
  • プラグの選び方で、熱価が低いよりは高い方が良いという事ですか?
    • おっしゃる通りです。熱価が低すぎて溶けてエンジンを損傷させるより、多少熱価が高い方がダメージは少ないです。なので、低いよりは高い方が良いと思います。
  • 高熱価プラグはどんなエンジンに付けられていますか?
    • 温度が上がり易い、高回転・高出力エンジンに取り付けられています。単純に、馬力が上がれば爆発力も上がり、燃焼室の温度も上がるのでチューニングしたエンジンはプラグの番手を1つ上げます。
  • 乗り方でもプラグは変えるもんですか?
    • 乗り方でも変えて良いと思います。例えばプラグをみて高回転まで回さないライダー様にはプラグを1番落とす場合もあります。ですが、基本的に純正の番手の使用をお勧めします。
  • プラグを落としたら曲がってしまったのですが、まだつかえますか?
    • 交換が望ましいです。電極はそれほど耐久性はありません。物理的に力を加えればすぐ変形します。イリジウムプラグの中心電極なんかは少し力を加えれば直ぐに曲がります。なので、交換する事をお勧めします。

 

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