クラッチフルード交換方法

2020年7月17日メイン整備記事,メイン整備記事,ステアリング系,エンジン系

油圧式クラッチの場合、2年に1回はクラッチフルード交換を行う必要があります。
クラッチフルードは、時間とともに劣化し、劣化が進むとエアーが噛む可能性があります。エアーが噛むとクラッチが切れなくなるので必ず交換しましょう。
もし、走行中にクラッチが切れなくなった場合は、キルスイッチをOFFにして停止してロードサービスを使いましょう。

今回はクラッチフルード交換方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。

整備情報

  • 交換時期: 2年毎
  • 時間: 約15分
  • 費用: 約1,000円
  • ショップ工賃: 約1,500円
  • 難易度: ★★★☆☆

※本ページの「クラッチフルード」とは「ブレーキフルード」を指します。使用しているブレーキフルードは、ワコーズのBF-4(DOT4)です。

作業手順

クラッチフルード交換方法

車体左側のフロントスプロケット辺りに、クラッチレリーズが配置されているかと思います。
ブレーキキャリパーのように、ニップルカバーが取り付けられているのでニップルカバーを取り外しましょう。

ニップルカバーを取り外したら、メガネレンチ・ホースを取り付けます。

クラッチフルードが塗装面に付着したら、パーツクリーナーを吹くか、水で洗い流して下さい。
パーツクリーナーは、ワコーズのBC9が塗装面や樹脂に与える影響が少ないです。
画像はスーパージャンボという主にブレーキ用のパーツクリーナー。クラッチフルード交換後に、パーツクリーナーでニップル内の残ったクラッチフルードを除去する為に使用します。フルードがこぼれた際は、ボトルに水を入れておいてウエスと併用して清掃します。

入っていたクラッチフルードをスポイトで吸い取って、新しいブレーキフルードをUPPERレベルまで注ぎましょう。
クラッチフルードという専用のフルードがあるわけではなく、通常はブレーキフルードを使用します。
リザーバータンクキャップに、注意書きが書かれていますので念の為、確認して下さい。BMWの一部車種に専用のクラッチフルードを必要とする車種がありますのでBMWにお乗りの方はご注意下さい。

クラッチレバーの遊び部分まで握り、テンションを掛けて、メガネレンチを反時計回りに緩めると、レバーが押し込まれてブレーキフルードが出てきます。
茶色がかっているのは、クラッチフルードが劣化している証拠です。次第に透明に変わっていきますので、透明に変わった時点で交換終了です。

 

クラッチフルードがリザーバータンクから無くなっていきますので、無くなる前に補充していきましょう。
基本的に、リザーバータンク1~2回分補充すれば、色は透明になります。意外に、ホースの内径は細いので思っているほどフルード量は多くありません。OHしてみてフルード量をはかってみると少量なのが分かります。

透明になったら、エアが出てこないか確認して下さい。
エアが出てくる場合、ゆっくりとレバーを握って再度クラッチフルード交換をして下さい。急いでフルード交換を行うとレバーを握った際に微細なエアが混入してしまいますので、ゆっくりクラッチフルード交換するとエアが抜けていきます。

クラッチフルード交換後、ニップルからのフルード漏れに注意

ニップルからクラッチフルードが漏れている様子です。クラッチフルード交換後は、漏れていない事を確認済みです。
なぜ、フルードが漏れるのか、原因は2つ考えられます。

  1. ニップルの締め付け不足
  2. ねじ山からフルードが上がってきている

締め付け不足ではないので、フルードが上がってきている事が原因かと考えられます。
これは、クラッチレリーズのみならず、キャリパーや一部のマスターシリンダーのようにニップルが装着されているもの全てに起こりえます。

なので、クラッチフルードやブレーキフルード交換後は、ニップルを5~10分後に再度漏れが無いか点検して、もれているようならパーツクリーナーや水で除去しましょう。
ニップルとレリーズの接触面も入念に除去しましょう。

日清製・ブレンボ製は発生した事がありますので、この症状はメーカー問わず仕方ない事なのかもしれません。

BMWのクラッチフルード交換

BMWのクラッチフルード交換は、国産とは違い、シート右下位の位置にホースが伸びています。シート下側(左より)もあります。
クラッチフルード交換する際、ニップルは後から取り付けますので、ニップルを所持していないと交換できません。ニップルは、サイズを調べてから購入しましょう。国産に使われているニップルよりもネジ径が大きいはずです。
ニップルと取り付けた後、ホースを取り付けてフルード交換を行います。ニップルは、手の力で回るのでメガネレンチを使う必要はありません。
専用のクラッチフルードが必要な車種と、ブレーキフルードで良い車種がありますので、良く確認してから交換しましょう。
BMWを整備される方はインターネット上の記事を見る限り少ないと思います。BMWのバイクは国産とは違う点が多いので、下調べをしっかりしてから整備しましょう。

 

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