バイクのリアブレーキパッド交換方法

2020年7月18日メイン整備記事,ブレーキ系

パッド残量が無くなると、ブレーキは制動しなくなるばかりかブレーキディスクへもダメージを与えライフを急激に縮めてしまいます。

車検が無い排気量250cc未満の車両やユーザー車検を受ける方は、2年に1度点検して残量を確認しておきましょう。
また、ブレーキパッド残量2mm以下が交換とされていますが丁度2mmでは次の車検(2年)まで維持しない可能性が高いので早めの交換をお勧めします。

加えて、ブレーキパッドが摩耗する毎にキャリパーピストンの出量も多くなりブレーキタッチが低下します。
ブレーキパッド残量が5mm程度までがブレーキフィーリングの良い状態をキープできるかと思います。

今回は、リアブレーキパッドの交換方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。

整備情報

  • 交換時期: ブレーキパッド残量が2mm以下
  • 時間: 1キャリパー:20分程度
  • 費用: 約3 ,000円~約12,000円
  • ショップ工賃: 約1,500円(1キャリパー)
  • 難易度: ★★★☆☆

※ブレーキパッド購入はリンク先の検索窓で車種を入力して適合車種を確認した上でご購入ください。 車種の検索例:CBR400RR

作業手順

1.ブレーキパッド取り外し

リザーバータンク周辺をウエスで覆う

リザーバータンク周辺をウエスで覆いましょう。
ブレーキフルードがこぼれて塗装面に付着すると塗装が剥がれるので、ウエスで覆う事で塗装剥がれを予防します。

ブレーキリザーバータンクボルト取り外しブレーキリザーバータンクキャップ取り外し

リザーバータンクキャップを取り外しましょう。
リザーバータンクの固定ネジはナメやすいのでドライバーを強めに押し付けて(押し8割、回し2割)取り外しましょう。

ブレーキリザーバータンクダイアフラムプレート取り外しブレーキリザーバータンクダイアフラム取り外し

ダイアフラムプレートとダイアフラムを取り外しましょう。

ブレーキリザーバータンクキャップ類取り外しブレーキリザーバータンク フルード吸い取り

ブレーキフルードをスポイトで抜き取りましょう。
スポイト内にブレーキフルードを保管しておくと後で戻す事が出来ます。
スポイトの購入はこちら

リアブレーキキャリパー ピンプラグ取り外しリアブレーキキャリパー ピンプラグ取り外し2

ピンプラグが取り付けられている場合は取り外しましょう。
ピンプラグを外すとパッドピンが現れます。

ショックドライバー

ピンプラグは固着しているとナメやすい箇所なので、固着気味と感じたら迷わずショックドライバーを使用しましょう。
ショックドライバーは最適なビットを使用し、回転方向にテンションを掛けてハンマーで叩いて取り外しましょう。
詳しくは、ショックドライバーの使い方をご覧ください。

パッドピン取り外し

ブレーキパッドを保持しているパッドピンを緩めましょう。
現段階では取り外すのではなく緩めるのみです。

リアブレーキキャリパー1リアブレーキキャリパー取り外し

ブレーキキャリパー固定ボルトを取り外し、キャリパーを取り外しましょう。
2ピースキャリパー(対抗ピストンキャリパー)の場合は緩めるボルトを間違えないよう注意しましょう。
詳しくは、リアブレーキキャリパー取り外し・取り付け方法をご覧ください。

リアブレーキキャリパー パッドピン取り外し2リアブレーキキャリパー パッドピン取り外し5パッドピン

緩めておいたパッドピンを取り外します。

リアブレーキキャリパー ブレーキパッド取り外し2

ブレーキパッドを取り外しましょう。
パッドピンを取り外すとブレーキパッドが外れます。

リアブレーキパッド マーキング wheelリアブレーキパッド マーキング SA

交換せず再度取付ける場合、ブレーキパッドに装着位置をマーキングしましょう。
ブレーキパッドには、「Wheel」「SA」と書いてあります。

  • SA:Swing Arm(スイングアーム側)
  • Wheel:Wheel(ホイール側)

ブレーキパッドの装着位置をマーキングする理由

ブレーキパッドの形には、2タイプあります。

ブレーキパッド 左右非対称

上記画像のように、ブレーキパッドの形が対称ではないタイプ。
参考車両のCBR400RRもこちらのタイプ。

ブレーキパッド 左右対称

上記画像のように、ブレーキパッドの形が対称のタイプ。
このタイプは、取り外してから取り付ける際に左右どちらに付いていたのか分からなくなる可能性があります。
間違って取り付けると制動力低下の要因になる為マーキングする事をおすすめします。

リアパッドスプリング 取り外しリアパッドスプリング 取り外し2リアパッドスプリング 取り外し3

マイナスドライバーを使用してパッドスプリングを取り外しましょう。
パッドスプリングはブレーキパッドにテンションを与えてブレーキパッドが脱落しないようにするパーツです。

リアブレーキキャリパー吊るしサイレンサーマウント キャリパー吊るしリアキャリパー 吊るす箇所

ブレーキホースに負荷が掛からないようブレーキキャリパーを結束バンドや紐で吊るしまょう
パッドピンやボルト穴(画像の赤枠)から吊るすとよいでしょう。
サイレンサーブラケットが無い場合はリアスタンドにウエスを敷いて置いておきましょう。

リアブレーキキャリパーパッドリテーナー位置確認リアブレーキキャリパーパッドリテーナー取り外し3リアブレーキキャリパーパッドリテーナー取り外し1

パッドリテーナーを取り外しましょう。
外れない場合は、爪で固定されているだけなのでマイナスドライバーを使用して浮ければ容易に外れます。

2.清掃

パッドピン清掃

パッドピンをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
パッドピンのねじ山も清掃しましょう。

汚れが頑固な場合は、キャブレタークリーナーを使用すると除去し易いです。
パッドピンを人差し指の腹で触り段付きが発生している場合は交換しましょう。

パッドスプリング清掃3

パッドスプリングをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
こちらも汚れが頑固な場合は、キャブレタークリーナーを使用すると除去し易いです。

パッドリテーナー清掃

パッドリテーナーをパーツクリーナーとウエスで清掃しましょう。
こちらも汚れが頑固な場合は、キャブレタークリーナーを使用すると除去し易いです。

パッドスプリング・パッドリテーナーの汚れが落ちない場合

ヤマハキャブクリーナーパッドリテーナー清掃

キャブレタークリーナーを使用します。
お勧めはヤマハ製キャブレタークリーナーです。
肌に触れるだけで痛くなる程強力なのでゴム手袋をして作業しましょう。

パッドリテーナー清掃3パッドリテーナー清掃パッドリテーナー
歯ブラシを使用すると凹凸も磨くことができます。
固まっているカーボンは精密マイナスドライバーを使用すると綺麗になります。

ゴム手袋購入はこちら
ヤマハキャブクリーナー購入はこちら
精密ドライバー購入はこちら

リアブレーキキャリパー ピストン清掃リアブレーキキャリパー ピストン 回す

キャリパーピストンを清掃しましょう。
キャリパーピストンツールを使用してピストンを回転させて全周清掃しましょう。
目の届かないピストン裏側は、清掃したと思っても意外に汚れが付着しています。

キャリパーピストン奥側 清掃キャリパーピストン奥側 清掃2

ブレーキペダルを踏むか、キャリパーピストンツールでキャリパーピストンを出して奥側も清掃しましょう。
キャリパーピストンを多く出しすぎるとキャリパーピストンが脱落するので注意しましょう。

キャリパーピストンの汚れが落ちない場合

ウエス キャブクリーナーキャリパーピストン ウエス キャブクリーナー

ウエスとキャブレタークリーナーを使用し、汚れを除去したらパーツクリーナーでキャブレタークリーナーの成分を除去しましょう。

頑固でキャブレタークリーナーでも落ちない場合は、真鍮ブラシを使用すると良いでしょう。
但し、真鍮ブラシを使用すると多少の傷は入ってしまうので汚れが拾いやすくなりキャリパーピストン表面のメッキが剥がれて錆が発生する可能性があるのでご理解の上ご使用して下さい。
尚、ステンレスブラシは毛が硬くパーツに傷を入れる可能性が高いので使用は控えましょう。

リアブレーキキャリパーブラケット タップ2リアブレーキキャリパーブラケット パーツクリーナーリアブレーキキャリパーブラケット ボルト ダイス

ネジロック剤が使用されている場合があるので、タップ・ダイスは必ず行いましょう
タップ・ダイスは浸透潤滑剤を塗布して使用した後、パーツクリーナーで鉄粉を除去しましょう。
詳しくは、タップ・ダイスの使い方をご覧ください。

3.揉みだし

揉みだしはシールの本来の機能を妨げます。
しかし、メリットも多くあるのでオーナーが判断して実施して下さい。
詳しくは、キャリパーピストンの揉み出しはシールの原理を阻害する矛盾整備!?をご覧下さい。

キャリパーピストン シリコングリスキャリパーピストン シリコングリス塗布

キャリパーピストン回りにシリコングリスを塗布します。

リアキャリパーピストン 揉みだしリアキャリパーピストン 揉みだし2

キャリパーピストンツールを使用してキャリパー内を出し入れします。
この時、反対側のキャリパーピストンを必ず手で押さえて出し入れして下さい。
片側のピストンを押し入れると反対側のキャリパーピストンは出てきて脱落する場合があります。

ブレーキリザーバータンク フルード吸い取りブレーキフルード保管

キャリパーピストンを押し戻す事により、リザーバータンクからブレーキフルードが溢れる可能性があります。
リザーバータンクを確認しながら揉みだしを行いましょう
もし溢れそうならスポイトで吸い取って下さい。

4.点検

 

キャリパーピストン 新品

上記画像が新品時の正常なキャリパーピストンです。
虫食い等無く綺麗な状態です。

キャリパーピストン虫食い-2キャリパーピストン虫食い状態

上記画像が虫食いが発生したキャリパーピストンです。
ピストン表面のメッキが剥がれているのが確認できるかと思います。

対処方法は、ピストン新品交換です。
部品が廃盤の場合、再メッキを依頼します。

交換の目安は、メッキが剥がれている箇所がダスト・オイルシールと接触しているかが判断基準です。
ピストンのメッキが剥がれている箇所がシールに接触すると、キャリパーピストンとシール間に隙間ができ雨水の侵入やブレーキフルード漏れの原因になります。

上記画像の場合、メッキ剥がれ箇所とシールは接触していないので現状のブレーキパッドは継続使用可能です。
しかし、次回新品ブレーキパッドを組む際にブレーキパッドの厚みが多くなるのでキャリパーピストンが戻る量が多くなりシールと接触する可能性があるのでキャリパーピストンも同時交換となる可能性があります。

5.ブレーキパッド取り付け

リアブブレーキパッド グリス塗布パッドピングリスアップ

ブレーキパッド裏とパッドピンにグリスを薄く塗布しましょう。
多く塗布すると、雨水で流れて制動力を低下させる可能性があります。

お勧めのグリスは、コパスリップです。
耐熱性・電導性が良いので、用途が上記のような鳴き止めやアース等の接点グリスとしても使用できます。
使用範囲が広いので、鳴き止めグリスや接点グリスを揃える必要はありません。
フォーミュラ1(F1)で使用されている実績あるグリスです。
他には、スレッドコンパウンドか耐熱性に優れた万能グリスを使用すると良いでしょう。

パッドリテーナー 取り付けパッドリテーナー 取り付け2

パッドリテーナーを取り付けましょう。

パッドリテーナーツメ-2

リテーナーが外れやすい場合、上記画像赤枠のツメを内側に若干曲げましょう。
若干曲げることで挟むテンションを強める事ができます。
プライヤーを使用すると調整できます。

パッドスプリング取り付けパッドスプリング取り付け3

キャリパーピストンを押し戻してからパッドスプリングを取り付けましょう。
キャリパーピストンを押し戻す事でパッドスプリングがキャリパーピストンに傷を付ける事なく取り付けが出来ます。

パッドスプリングツメ

パッドスプリングが外れやすい場合、上記画像赤枠のツメを内側に若干曲げましょう。
リテーナー同様、若干曲げることでテンションを強める事ができます。
プライヤーを使用すると容易に調整可能です。

リアブレーキパッド マーキング wheelリアブレーキパッド マーキング SA

新品ブレーキパッドを使う場合、マーキングをしましょう
次回脱着時の取り付けミスを防ぐ為です。
ブレーキパッドには、「Wheel」「SA」と書いてあります。

  • SA:Swing Arm(スイングアーム側)
  • Wheel:Wheel(ホイール側)

リアキャリパー パッドピン 取り付けリアキャリパー パッドピン 取り付け3

ブレーキパッドを取り付けましょう。
ブレーキパッドのマーキングを見て装着位置を確認しブレーキパッド内側には手を触れずにブレーキパッドのパッドピン穴にパッドピンを挿入して取り付けましょう。

既存のブレーキパッドを再装着する場合、ブレーキパッド位置が変わるとブレーキディスクとブレーキパッドの当たりが変わるので制動力が低下します。
基本、パーツを取り外したら元の位置に戻しましょう。
ブレーキパッドの内側に手を触れると多少の油分であっても制動力が低下します。
手が汚れている場合は、パーツクリーナーで手の油分を落とすか洗剤で洗ってから取り付けましょう。

リアブレーキキャリパー固定ボルト トルク管理4

ブレーキペダルの感触が戻ってから、更に2,3回掛けた後にブレーキペダルを押しながら指定トルクで締め付けましょう。
初めはブレーキペダルに感触がありませんが2、3回と押すと感触が元に戻ります。
ブレーキを作動させる事でブレーキパッドとブレーキディスクの位置が修正されブレーキのフィーリング向上が期待できます。
詳しくは、リアブレーキキャリパー取り外し・取り付け方法で確認できます。

パッドピン規定トルクで締め付け

パッドピンを指定トルクで締め付けましょう。
パッドピンのねじ山に汚れが付着していると正確なトルクが出ずにパッドピンがオーバートルクで折れる可能性があるので要注意。

リアピンプラグ締め付け

ピンプラグを取り付けましょう。

リザーブタンクへブレーキフルードを戻す スポイトリアブレーキリザーブタンク フルード補充

ブレーキフルードはUPPERまで補充しましょう。
スポイトに保管した場合は元に戻しましょう。
LOWERからUPPERの中間位置ではなくUPPERまで補充します。
ブレーキパッド・ディスク摩耗するとおよそLOWER位置まで減ります。
LOWWERまで減った状態で、ブレーキパッドが減っていくとエアが噛みブレーキが効かない可能性があります。
UPPERまで補充しましょう。

詳しくは、ブレーキフルード補充方法をご覧下さい。

リアブレーキペダル 押す3

再度ブレーキペダルを押しブレーキペダルに感触があるかどうか確認しましょう。

まとめ

  • ピンプラグ取り外し時、固着気味ならショックドライバーを使う
  • ブレーキパッド取り外し時、マーキングを行う
  • ブレーキパッド取り外し後、キャリパーピストンの清掃を行う
  • 清掃時、ボルト類にキャリパーとパッドピンにタップ・ダイスを掛ける
  • 清掃時、パッドピン・ブレーキパッド・ブラケット可動部にグリスアップを行う
  • ブレーキパッド取り付け時、ブレーキペダルの感触が戻ってから、更に2,3回掛けた後にブレーキペダルを押しながら指定トルクで締め付け
  • ブレーキパッド取り付け後、リザーバータンクのブレーキフルードをUPPERレベルまで注ぐ
  • 試走前に、ブレーキペダルを握りブレーキが機能しているか確認

Q&A

  • キャリパーピストンを清掃する際、片方のピストンを押したらもう片方のピストンが出てきて脱落してしまったのですがどう対処すればよいでしょうか?
    • ピストンが脱落した場合、キャリパーにピストンを挿入してエア抜きを行いましょう。
      キャリパーピストンが2ポット以上の場合は、必ず手やブレーキパッド等で片側のピストンを押さえながらキャリパーピストンを出しましょう。
      尚、手を挟まないよう十分注意して下さい。
  • キャリパーピストンを押し戻した際、リザーバータンク内のフルードが溢れたのでパーツクリーナーとウエスで拭きましたがこれで正しかったでしょうか?
    • はい、おおよそ正しいです。通常のスーパージャンボなどのパーツクリーナーは塗装面や樹脂製のパーツには向かないので水を含ませたウエスで拭き取れれば尚良いでしょう。パーツクリーナーを吹いたからといって塗装が剥がれたり樹脂製のリザーブタンクが割れる等の心配はありません。
      キャリパーピストンを押し戻すとリザーバータンク内の油面(フルード量)が上昇するので、スポイトでリザーバータンクのフルードを抜き取り適宜油面を確認しながらピストンを押し戻しましょう。
  • ブレーキペダルを踏んでも感触が無いのですが、壊れてしまったのでしょうか?
    • 壊れてはいません。キャリパー脱着後の最初の数回はキャリパーピストンが戻っているのでブレーキペダルを踏んでも感触が有りません。何度が踏む事でキャリパーピストンが出てきてブレーキパッドに当たり感触が元に戻ります。改善されない場合はエアが噛んでいるのでエア抜きを行いましょう。
  • ブレーキフルードは水で除去出来るものなのでしょうか?
    • ブレーキフルードは水を吸収する性質(吸湿性)があるので水で除去できます。
  • なぜキャリパーを車体に取り付けた段階でパッドピンを取り外さずに緩めるのでしょう?また、その段階でパッドピンを取り外してブレーキパッドを交換したほうが効率が良いのではないでしょうか?
    • キャリパーを取り外してからではパッドピンを緩め難いのでキャリパーに取り付けた段階で緩めます。
      キャリパーを車体に取り付けた段階でブレーキパッドを交換しない理由として、まずブレーキパッドは新品を取り付ける事が前提ですと消耗したブレーキパッドより厚みがある分キャリパーピストンを押し戻さなければなりません。押し戻すのはキャリパー取り付け状態だと困難です。また、キャリパーピストンの周囲には汚れが付着しており、その状態でキャリパーピストンを押し戻すと汚れがキャリパーピストンとダストシール・オイルシール間に入り込んでキャリパーピストンの動きが悪化するので清掃する必要があります。以上の2点が車体から取り外して交換する理由です。
  • 揉み出しを行いたいのですが、キャリパーピストンツールを使用してもキャリパーピストンが回らないのですが対処法はありますか?
    • キャリパーピストンが大きいリアのフローティングキャリパーの場合、シールとの接触面積が大きいので抵抗が大きくなりキャリパーピストンが回りにくい場合があります。
      キャリパーピストン 押し戻し
      ブレーキパッドとマイナスドライバーを噛ませ、てこの原理で押し戻しましょう。
      キャリパーピストンに直接マイナスドライバーを当てて押し戻すとキャリパーピストンに傷が入る可能性があるので控えましょう
  • ブレーキパッドは面取りしたほうが良いのでしょうか?
    • 摩耗が無い新品ブレーキディスクに対して新品ブレーキパッド(有名所のブランド)を取り付けるのであれば、ブレーキパッドの面取りは必要ありません。
      近年のブレーキパッドは精度が良いのか面取りしなくても鳴くケースが少ないです。
      ブレーキパッドの面積は小さいですが、面取りすると更に接地する面積が少なくなり無くなった面積分を他の面積でカバーする事になるので比較的発熱が早くなります。また、ブレーキの利きも弱くなるのでその分多くブレーキペダルを踏む事でブレーキパッドの摩耗も早くなります。発熱による摩耗も早くなる事でしょう。なので、可能な限り面取りせず鳴きが発生した段階で面取りをする事をお勧めします。
      既存の摩耗したブレーキディスクに新品ブレーキパッドを取り付ける場合は、ブレーキパッドの上・下側の面取りを行う事をお勧めします。摩耗したブレーキディスクに新品のブレーキパッドを組んでもブレーキパッド全面がフラットに接触するわけではありません。ブレーキディスクは摩耗すると外側・内側がブレーキパッドに当たらず新品の状態で残るので山になっています。加えて、内側と外側では回転数が異なるのでブレーキディスクの外側が早く摩耗します。後者の摩耗は仕方ないですが、前者の外側・内側の山は新品ブレーキパッドを組んだ際にブレーキパッドのサイズが大きい為にブレーキディスクの山に乗り上げてしまい、新品ブレーキパッドを組んでも制動力が低下する場合があります。なので、既存のブレーキディスクに新品ブレーキパッドを組む場合はブレーキパッドの上下部分の面取りを行う必要が出てきます。

ブレーキ簡単用語解説

  • ブレーキパッド:ブレーキディスクと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。キャリパーに装着されている。
  • パッドスプリング:ブレーキパッドにテンションを与えブレーキパッドの脱落防止の役割。
  • パッドピン:ブレーキパッドを保持する役割。
  • ピンプラグ:パッドピン脱落防止の栓
  • シム:ブレーキの鳴き防止とブレーキフルードへの断熱の役割。
  • ブレーキディスク:ブレーキパッドと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。ホイールに装着されている。
  • ブレーキキャリパー:ブレーキパッドをブレーキディスクへ押さえつける役割。
  • キャリパーピストン:ブレーキパッドを押す
  • ダストシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、雨水やほこりをキャリパー内に入り込ませない役割。
  • オイルシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、キャリパー内のブレーキフルードを留めておく役割。
  • リザーバータンク:ブレーキフルードを一時的に保管する場所。ブレーキフルードが減少すると外から空気が補充して常に大気圧をちブレーキフィーリング低下を防ぐ。
  • ブリーダー:ブレーキフルード交換時にブレーキフルードを排出する役割。
  • ブレーキマスター:ブレーキフルードを圧送する役割。
  • ブレーキレバー:ブレーキマスターのピストンを押し、ブレーキマスターを機能させる役割。
  • テールランプ::後続車へ走っている事を知らせる車体後方のライト。

 

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