O2センサー

O2センサー

O2センサーとは

O2センサーとは、排気ガス中の酸素濃度を測定するセンサーで、そのデータはECUへ送られ、燃料の噴射量や噴射時期、点火時期などさまざまエンジン制御を行ううえで欠かせないものとなっています。

環境問題や省資源対策などが叫ばれている昨今、自動車だけでなくバイクにも採用されるのが当り前となったインジェクション(電子制御燃料噴射装置)

キャブレターが当り前の時代を知っているバイクユーザーの皆さんにとっては、「ダイレクト感が無くなった」「乗せられているような感覚でつまらない」と思う方も多いかもしれません。

しかし、現代のバイクのインジェクション機構は、少ない燃料で効率的に燃焼(爆発)させることができるため、キャブレターの時代に比べ格段に燃費が良くなり、下記にある触媒と組み合わせることで、環境にも優しくなりました。

そして、その触媒(キャタライザー)ですが、インジェクションと並んで昨今のバイクには欠かせないパーツの一つです。

触媒は、排気ガスに含まれる有毒なガス(一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物)を無毒化する役目がありますが、浄化効率を高くするためには、排気ガスに含まれる酸素を必要としています。

そのため、O2センサーが測定している排気ガス中の酸素濃度データをもとに、排気ガスから出る一酸化炭素や、炭化水素などを最も低くできる「理論空燃比」に保つことが必要です。

したがって、現代のエンジンにとってO2センサーは非常に重要部品の一つなのです。

O2センサー仕組み

O2センサーの仕組みを簡単に説明すると、O2センサーにはジルコニア素子という物質が使われ、ジルコニア素子は300℃以上の環境下において酸素濃度の違いによって起電力を発生するという特性を持っています。

O2センサーはこの特性を利用し、最も無駄なくガソリンを燃焼させることができる、理論空燃比(14.7:1)を起点に、理論空燃比よりも濃い(リッチ)のか、薄い(リーン)のかを測定しています。

では、O2センサーがどのように酸素濃度を判断しているのかということを、もう少しだけ細かく解説していこうと思いますが、あまり詳しく書いてしまうと、それこそ専門学校や大学の授業のようになってしまうため、できるだけわかりやすく書いていきます。

O2センサーの中には、先述したジルコニア素子の管が入っており、その管の内側は大気、外側は排気ガスが触れていて、大気と排気ガスの酸素濃度の差がある場合に、ジルコニア素子の中を酸素イオンが通過し、その際に一緒に電子が移動するため電気が発生します。

酸素と燃料の関係

燃料が濃いということは、燃焼できる燃料の量に比べ酸素の量が少ない(酸素が多く使われた)ということであり、大気と排気ガスの残存酸素量の差が大きくなるためO2センサーからは電気が発生します。

逆に、燃料が薄い状態では、燃料を燃焼しきっても、まだ酸素が余っている状態であるため、大気と排気ガスの残存酸素量の差は、燃料が濃い場合に比べ小さくなり、O2センサーは電気を発生しない、または、発生する電気は小さくなります。

つまりO2センサーは、何gというような細かな酸素の量を測定しているのではなく、あくまで理論空燃比よりも、薄いのか濃いのか(リーンorリッチ)を判断しているだけなのです。

しかし、その起電力による測定を、リアルタイムにECUへフィードバックしているため、エンジンはほぼ理論空燃比に近いところで運転されていることになります。

O2センサーの不具合

インジェクション化されたエンジンには、非常に多くのセンサーが使われていますが、数あるセンサーの中で、O2センサーが一番過酷な環境で使用されています。

上記の説明にもあるように、燃焼後の排気ガスに含まれている酸素を計るため、触媒前のエキゾーストパイプに刺さっていますので、常に高温・高圧で、さらにススなどの不純物にさらされているのです。

そのため、O2センサーは壊れやすいセンサーの代名詞と言っても過言では無く、整備士や詳しい方の間では、「O2センサー=消耗品」と捉えられています。

それでは、ここから代表的なO2センサーの不具合について、いくつか事例をご紹介します。

出力電圧の異常

O2センサー本体にススなどが堆積すると、O2センサー本体の温度が上がらない、または、ジルコニア素子が排気ガスにきちんと触れることができないなどの状態となり、正常な電圧が発生しないため、正確なフィードバックが行えません。

症状

初期段階では顕著な不具合は少なく、一般の方では気が付かないかも知れませんが、症状が進行すると、プラグがかぶったようなフケの悪さや、冷間時のみ警告灯が点灯するなどの症状が出てきます。

内部断線

堆積したススやオイルなどによりO2センサー内部が高温になりすぎてしまい、O2センサー内部の断線を引き起こすことがあります。

症状

完全に断線してしまうと、エンジン警告灯などが常時点灯するため、不具合の発生は分かりやすいでしょう。
この場合、エンジンを保護する目的で燃料噴射量は最大値に増加しますので、燃費の悪化はもちろん、長期期間放置すると触媒の焼損など思わぬ故障に繋がってしまいます。

内部ショート

配線部のグロメットの劣化や溶損などが原因で、O2センサー内部に水などが侵入することによるショート(短絡)です。

症状

断線と同じく完全にショートしている場合には、エンジン警告灯で知ることができ、また、フェールセーフ機能により燃料噴射量は最大値に固定されます。

本体損傷

通常使用ではまず起こることはありませんが、バイクの場合車種によっては外からの力を受けやすい場所にあるため、O2センサー本体が変形してしまうことがあります。

症状

軽度の変型であれば特に問題はありませんが、あまり大きく変形してしまうと、断線やショートの原因にもなります。

コネクターの破損

コネクターの破損は意外と多い不具合の1つです。
脱着作業で破損してしまうこと以外にも、経年劣化や熱および振動により、コネクター内部に水が浸入し、端子部の腐食や、最終的にはショートを起こすことがあります。

症状

初期段階や軽度な水の侵入では特に不具合が起きることはありませんが、端子が腐食した状態が長く続くとコネクター自体が異常加熱を起こし溶けてしまうこともあります。

O2センサーの交換方法

交換には眼鏡レンチか、専用のソケットを使用しますが、高温にさらされているO2センサーですので、固着している可能性が十分に考えられます。
バイクの場合は、O2センサーは比較的作業のしやすい場所に取付けられていることが多いと思いますが、場合によっては、O2センサー周辺の部品を外したり、エキゾーストマニホールドを外したりして、しっかりと工具がかけられ、力を入れられるように工夫しましょう。

また、外す際、緩んでいるにも関わらず、ずっと回りが固い場合などは、熱による変形や溶着などでネジ山が破損してしまっている可能性があります。
その場合は、取り付ける前にタップなどでネジ山を立て直してから新品のO2センサーを取り付けましょう。
そのまま無理に新品に交換してしまうと、取付けた後の排気漏れや、最悪の場合、新品のO2センサーを壊してしまったり、エキゾーストマニホールドを壊してしまったりする可能性があります。

O2センサーとチューニング

バイクのチューニングにおいて、O2センサーを交換するというチューニングメニューは無く、社外のフルエキゾーストの交換する場合、パワーコマンダーなどのサブコンピューターを取り付けたなどの際に、取り外す必要が出てくる可能性があります。

O2センサーは基本的に、アイドリング時の酸素量を計測していますので、取り外したり、パワーコマンダーなどのインジェクションチューニングを施したりすると、低回転でのトルクアップや回転フィーリングの変化を体感できるでしょう。

また、取付けるバイクの年式や、輸入車などによっては同じ車種でもO2センサーの径が違う場合などもありますので、エキゾーストパイプを交換する際には、交換する商品に、純正O2センサーは取り付けられるのか、自分のバイクに適合しているかなどをよく確認する必要があります。

O2センサーをキャンセルした場合の車検

車検では、排気ガスに含まれる「一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物」の濃度が測定されます。

そのため、O2センサーを取り外したままでは、アイドリング時の排気ガスの浄化がきちんと行うことができず、符号核になってしまう可能性があります。

チューニングなどでO2センサーを取り外す必要になった場合には、車検の際に純正の戻せるように、エキゾーストパイプなどを保管しておくようにしましょう。

 

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