バイクのフロントフォーク大気解放方法

フロントフォーク大気解放方法

フロントフォーク内部にはフォークオイル以外にも空気が入っています。
この空気がトップキャップとインナーチューブ間の隙間から外に排出されることフロントフォークのフィーリング低下を招きます。
高低差等による気圧の影響も受けるので、ブレーキリザーバータンクキャップと同様に定期的に大気解放することが望ましいです。

今回はフロントフォークの大気解放方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。

整備情報

作業手順

1.フロントフォークのトップキャップ取り外し

プリロード 緩めるプリロード 緩める2

プリロードの目盛りを計測しメモしてからマイナスドライバーを使いプリロードアジャスターを反時計回りに回して緩めましょう。
プリロードアジャスターの出量が多くなるほどプリロードは緩みます。
同じ位置にあるアジャスターが減衰力調整用の場合があるので詳細はサービスマニュアルで確認しましょう。

メンテナンススタンド

フロントスタンド・リアスタンドを使い前輪・後輪を上げましょう。
作業する上でフロントスタンドだけでは車体が不安定なり転倒の恐れがあるので、リアスタンドも使用しましょう。
詳しくは、メンテナンススタンドの使い方をご覧ください。

タンクを保護

燃料タンク周辺をウエスで保護しましょう。
工具が当たりタンク・カウルへ傷が付かない為の対策です。

トップキャップ取り外し工具

トップキャップを取り外していきましょう。
使用する工具は、車両に応じて適切な工具を選びましょう。
参考車両に使用した工具は左から順に以下の通りです。

  • 1/2ソケット:プリロードアジャスター(トップキャップの突起部分)に干渉しないサイズなので使用。
  • 1/2←3/8変換ソケット:ギア数が多く使いやすい3/8ラチェットハンドルを使用する為に使用。
  • クイックスピンナ:カウルステーに干渉するので延長用に使用。エクステンションバーは長すぎるので、トップキャップのような六角頭の掛かりがあまくなるような場合はナメる可能性があるので要注意。
  • 3/8ラチェットハンドル:ラチェットハンドルのギア数が細かく使い勝手が良いので使用。

ソケットやメガネレンチを使用するとトップキャップに傷が付きますが、アルミ地のトップキャップであればコンパウンドで磨くことで大体の汚れは落ちます。

プラスチックトップキャップレンチ

トップキャップがアルマイト加工されている場合や傷付けたくない場合にご使用下さい。
但し上記工具だけではトルク管理できないので、ご理解の上ご購入下さい。

樹脂製トップキャップレンチのサイズ
  • 24mm
  • 27mm
  • 30mm
  • 32mm
  • 35mm

サスペンション工具一覧はこちら

トップキャップ取り外し ソケットトップキャップ取り外し ソケット2トップキャップ取り外し ソケット3トップキャップ取り外し ソケット4

トップキャップを押さえつけながら反時計回りに回して取り外しましょう。
内部のスプリングにより勢いよくトップキャップが外れてくるので注意しましょう。

トップキャップ 取り外し2

メガネレンチでもトップキャップを緩めて取り外すことが出来ますが、押さえつける事が難しいのでソケットの使用をお勧めします。

トップキャップOリング 取り外しトップキャップOリング 取り外し2

トップキャップに取り付けられているOリングを取り外しましょう。

トップキャップのOリングは、フロントフォーク内部の空気を外部(大気)へ出さない重要な役割をしています。
劣化するほどフロントフォーク内部の空気が排出されてフロントフォーク内部が負圧になりフロントフォークのフィーリングが低下します。
Oリングを触って弾力が無くなったり変形したり千切れている場合は交換しましょう。

2.フロントフォークのトップキャップ取り付け

トップキャップOリング シリコングリストップキャップOリング シリコングリス塗り込み

Oリングにシリコングリスを塗布した後、手で塗り込みましょう。
シリコングリスを塗布する目的はOリングの劣化を抑え、トップキャップ取り付け時にOリングに負荷を掛けない為に塗布します。

トップキャップOリング 装着トップキャップOリング 装着2

Oリングをトップキャップに取り付けましょう。

トップキャップ取り付け ソケットトップキャップ取り付け ソケット2

トップキャップにソケットを合わせましょう。

トップキャップ取り付け ソケット 押し込むトップキャップ装着

片手でラチェットハンドル頭部を強く押し付け、ラチェットハンドルでトップキャップを回して取り付けます。
押し込みが弱いとラチェットハンドル回したときにねじ山がナメる場合があるのでしっかり押し付けて回しましょう。

トップキャップ装着2

トップキャップを仮止めしておきましょう。

トップキャップトルク管理

トップキャップを指定トルクで締め付けましょう。
持ち手の中心線を垂直に力を掛けて締め付けましょう。
詳しくは、トルクレンチの使い方をご覧下さい。

プリロード 戻す プリロード 戻す2

プリロードを調整しましょう。

  • プリロードをセッティングされている場合:トップキャップ取り外し前の出量に設定しましょう。
  • プリロードを新たにセッティングする場合:セッティング目安としてバイクに跨った際にフロントフォークの最大沈み量から4分の1程度に設定すると良いでしょう。
    最大沈み量は、フロントフォークに結束バンドを装着してフルブレーキングして結束バンドの位置を走行前のと比較する事で沈み量を計測します。最大沈み込み量から4分の1が公道やワインディングの基準になるので、4分の1に近づくにつれて乗りやすくなっていきます。一番乗りやすい位置に調整していきましょう。

トップキャップ コンパウンドコンパウンド ウエスに取るトップキャップ コンパウンド 中トップキャップ コンパウンド後

ウエスに少量のコンパウンドを取ってトップキャップを磨きましょう。
アルミ製のトップキャップの場合はコンパウンドで磨く事で綺麗になりますが、アルマイト加工されたトップキャップは色が剥げるので使用しないで下さい

カラーを手で保護して外す

フロントスタンドを下げましょう。
フロントスタンドのアタッチメントを手で覆いながら取り外しましょう。
詳しくは、メンテナンススタンドの使い方をご覧ください。

まとめ

  • トップキャップ取り外し時、プリロードを最大まで緩める
  • トップキャップ取り外し時、トップキャップを強く押し付けながら緩めて取り外す
  • トップキャップ取り外し後、Oリングにはシリコングリスを塗布する
  • トップキャップ取り付け時、トップキャップを強く押し付けながら締め付けて取り付ける
  • アルマイト加工されたトップキャップには、コンパウンドを使用して磨かない

Q&A

  • トップキャップとインナーチューブのねじ山がナメてしまったようで、空回りして取り外すこともできないのですがどうすれば良いでしょうか?
    • バイスプライヤーを使用して、トップキャップを挟みます。上下に荷重を掛けながら抜きましょう。その後、ナメた際の鉄粉をウエスで除去しフロントフォーク内部のカラーを取り外します。この状態で、ナメてない側のトップキャップ押し込みながら取り付けてみて下さい。取り付ける事ができるようなら、一旦取り外してカラーを入れて再度強く押し付けながらトップキャップを取り付けましょう。
  • トップキャップに合うソケットが無いのですが、ほかに取り外す方法はありませんか?
    • メガネレンチでもトップキャップを緩めて取り外すことが出来ますが、押さえつけが難しいので勢いよく突き上げるスプリングに注意して取り外しましょう。
  • トップキャップのOリングを新品に替えようとしているのですが、シリコングリスを塗布した方が良いでしょうか?
    • はい、新品Oリングも同様にシリコングリスを塗布しましょう。
  • アルマイト加工されたトップキャップはどのようなものでしょうか?

    • トップキャップ アルマイト加工

      引用:Ninja ZX-14Rとの馴れ初め


      上記画像は、金色にアルマイト加工されたトップキャップです。
      アルマイト加工とは、アルミ表面に皮膜をつくり腐食や摩耗に強くなるメリットがあるのですが染色によって好きな色をつけることができるのででドレスアップ目的でも多く使われています。
      この状態でコンパウンドを使用すると色が剥げてしまうのでアルマイト加工されたトップキャップの磨きは行わないで下さい。

サスペンション簡単用語解説

  • スナップリング(フロントフォーク):軸に溝をつけ、その溝にはめることで軸方向の動きを止めるばね輪のこと

 

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