ECU

ECU

ECUとは?

ECUとは、エンジンコントロールユニット(engine control unit)の略で、一般的には「エンジンのコンピューター」などと呼ばれ、現代の自動車はもちろん、今ではバイクにも当たり前のパーツとして搭載されています。

 

自動車に電子制御が導入された市販車は、1967年にドイツのフォルクスワーゲンと言われており、もちろんこの時代は、今ほど複雑な制御ではなく、吸入空気量をセンサー(負圧センサー)のデータをもとに燃料の噴射量を調整するというものでした。

 

しかし、現在の自動車やバイクに搭載されているECUは、後述するようにさまざまな役割が与えられ、間違いなくすべての機構の肝ともいうべき存在なのです。

 

ECU制御の仕組み

ECUの仕組みを解説すると、コンピューター工学の分野になってしまうため割愛しますが、ここでは、ECUを使ってどのようにエンジンを制御しているのかについて簡単に解説していきます。

 

コンピューターとは日本語に訳すならば「電子計算機」です。つまり、「1+1は?」という問いに対し「2」という答えを導き出すのが役目です。

 

「何を言っているんだ?」と思われたかもしれませんが、これこそがコンピューターの全てなのです。

 

実際のコンピューターの中には、「1+1」「1+0」「0+1」「0+0」の問いに対する答えが、予め表のようなもの記憶されており、出された問いに対して最適な答えを導き出しています。

 

では、エンジンのコンピューターの中身はというと、この答の載っている表のことを「マップ」と呼び、「点火時期の載ったマップ」「燃料噴射量の載ったマップ」など制御が必要な分だけのマップが存在します。

 

例えば、ECUが燃料噴射量を決める際は、各センサー送られてくる情報を元に、「燃料噴射量の載ったマップ」の中から最適な答えを見つけ、インジェクターに指示を出しているのです。

 

 

ECUの役割

エンジンECUがどのように燃料噴射量や点火時期などを決めているのかが分かったところで、ここからは、ECUに与えられた役割について細かく見ていきましょう。

 

エンジン性能の向上

エンジンに必要な3大要素「良い圧縮、良い火花、良い混合気」を、どんな状況においても最適な状態に保ってやることが、エンジンの持つ本来の性能を引き出すことに繋がります。

主に、ECUが行っているのは、「良い火花」と「良い混合気」です。(可変バルブ機構を持ったエンジンや、最新の低燃費エンジンでは、圧縮に関わる制御も行われています。)

 

ECUは、ライダーの意思(スロットル開度)や速度、エンジンにかかる負荷などを考慮し、最適なタイミングでインジャクターから必要な量の燃料を噴射し、スパークプラグに点火します。

 

燃費の向上

燃費を上げる一番の方法は、燃料の燃え残らないようできるだけ燃やし切り、少ない燃料でエンジンを運転することです。

 

そのためには、ECUが燃料噴射量や時期、点火時期などを細かくコントロールする必要があるのです。

 

排気ガスをきれいに

燃費の向上と共に、現代のエンジンに求められる大切な性能が、排気ガスを綺麗にし、環境への影響を少なくすることです。

 

ECUは排気ガスの中に含まれる有害な「一酸化炭素、炭化水素、窒素酸化物」などを減らすため、燃料の量を調節し、理論空燃比と言われる最も有害物質を出さない空燃比に近づけ、触媒がきちんと仕事ができるようにコントロールしているのです。

 

自己診断機能

さまざまなセンサーや電気部品が使われている現代のエンジンでは、それらの電気部品が故障した際に、自ら不良個所を発見し記憶する、または運転者に知らせる自己診断機能が備わっています。

 

電気はそのままでは目に見えないため、危険な状態になることを予め防いだり、後の故障探求などをしやすくするなどの効果があります。

 

また、ECUが故障を発見した場合には、「フェールセーフ」という機能があり、エンジンや運転者に危険が及ばないよう、または、近くの整備工場まで運転できるようプログラミングされています。(不具合内容によってはエンジンがかからないようにすることもあります。)

 

 

バイクにおけるECU

バイクには、一見ECUと見間違えてしまいそうな「CDI」という電子部品が昔から使用されてきましたが、CDIはキャパシター・ディスチャージド・イグニッションの略で、イグニッションコイルに電気を供給する電子部品であり、エンジン自体を制御する能力は持っていません。

 

自動車エンジンのECUのように、総合的な制御を行うことができるECUが搭載されるようになったのは、バイクがキャブレターではなくインジェクション方式に変わってからということになります。

 

さらに最近では、自動車と同じように、エンジン以外のコントロールユニットと相互に通信し、さまざまな情報をやり取りしながらエンジンを制御する「CANバスシステム」を採用したバイクも登場しています。

 

 

ECUチューニング

それでは、最後にECUチューニングについて代表的なチューニング方法をご紹介していきたいと思います。

 

ECUをチューニングすることは、エンジンの性能や特性を大きく変化させることができるメニューですので、予算やご自分のライディングスタイルに合わせたチューニングメニューを見つけましょう。

 

マップ書き換え

最も基本的で、最も難易度の高い方法が、俗に「ROMチューン」と言われる、制御マップ自体を書き換えてしまうという方法です。

 

上記の「ECU制御の仕組み」でも触れているように、ECUには制御する項目の分だけ、答えが書かれた「マップ」と呼ばれる表のようなものがあり、ECUは、各センサーなどからの情報を元に、その表の中にある最適な答えをはじき出します。

 

そのはじき出された答えというのが、点火時期や燃料噴射量なのです。

 

つまり、ROMチューンは、ECUがはじき出す答えそのものを書き換えてしまうというやり方ですので、エンジンの性能を全く別物に変えることができる究極の方法でもあります。

 

ただし、ROMを書き換えるためのROMライターや、制御マップを書き換えるための専用ソフトやパソコンなどが必要になります。

 

また、燃料噴射量は、あまり適当にいじってしまうと、最悪エンジンブローの危険を伴うため、例え機材をそろえることができても、一般の方が行うチューニングとしてはオススメできませんので、専門のチューニングショップなどに依頼しましょう。

 

社外ECUに交換

各チューニングメーカーからは、予め純正とは異なるプログラムが施されたECUが販売されています。

 

その種類はさまざまで、純正と交換するだけでパワーアップするものや、マフラーやカムの交換といったトータルチューニングに合わせたものまで市販されています。

 

もちろん各メーカーがテストを重ね開発した商品ですので信頼性は高く、しっかりと商品を選ぶことができれば、手間もかからず比較的簡単にチューニングできます。

 

しかし、あくまで過去のデータやテスト車両のデータを使用しているため、100%その人のバイクに合っているという保証は無く、また、ある程度どんなバイクにも合うように余裕を持たせたセッティングがされているため、期待しているほどの大きな変化は得られない可能性があります。

 

 

サブコンピューター

最後に紹介するのは、通称「サブコン」と呼ばれるサブコンピューターによるチューニング方法です。

 

サブコンピューターを使用したチューニングは、ECUのマップを書き換えるのではなく、ECUに送られてくる各センサーからの情報を、サブコンピューターを通すことで疑似的に変更しECUに送ることで、燃料噴射量や点火時期を変更することができます。

 

現在チューニング用のサブコンピューターは、さまざまな種類が市販されており、ハンドルに切り替えスイッチを装着し、走行シーンに合わせて予め用意されたプログラムを切り替えることができる物、装着して走行することで自動的に走行データをサンプリングし、必要な補正値を教えてくれる商品なども存在します。

 

サブコンピューターを使用するメリットは、純正のECUやセンサーなどを交換することが無く、比較的簡単に純正状態に戻すことができることや、PCを使って自分でマップを書き換えられることです。

 

そのため、ショップなどに出向かなくとも、サーキット用のセッティング、街乗り重視、燃費重視、車検対策など、必要に応じて自分でセッティングを変更できます。

 

したがって、サブコンピューターを使用したチューニングは、費用を極力抑え、効率よくパワーアップすることができるため、今ではインジェクション車両のチューニングとしてもっともポピュラーな方法なのです。

 

 

 

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