キャブレター

キャブレター

キャブレーターとは

2サイクルエンジンでも4サイクルエンジンでも、ガソリンと空気を混ぜた混合気を圧縮し、点火プラグで着火することで混合気を爆発・膨張させ、運動エネルギーを得ています。

つまり、エンジンには、混合気、火花、圧縮が必要で、この3つを、エンジンの3大要素と言い、キャブレーターはその3大要素の1つである、混合気を作り出す装置であり、エンジンには欠かせない重要な部品です。

現在新車で販売されているバイクの多くは、キャブレターを使用せず、フューエルインジェクションシステム(燃料噴射装置)で、ガソリンを吸入空気内に噴射し混合気を作り出していますが、2010年ころまでは新車で販売されるバイクの多くが、キャブレターを使用していました。

キャブレーターの役割

エンジン内部では常にピストンが上下しており、ピストンが下がるときに負圧が発生し、空気を吸い込みますが、キャブレターは、スロットルとワイヤーで繋がれたスロットルバルブの開閉によって、空気の通り道の大きさを変え、吸入される空気量を調整する役割があります。

そしてもうひとつ、日本語でキャブレターのことは、気化器と呼ばれているのですが、その名の通り、液体である燃料(ガソリン)を、空気と混合することで気体(混合気)にするという役割があります。

では、キャブレターはどのようにしてガソリンと空気を混ぜているのか?について、次の項目から説明していきましょう。

インジェクションとの違い

現在主流の電子制御のインジェクション方式は、燃料ポンプで加圧したガソリンを、インジャクターという電磁弁を開閉することで、吸入空気内にガソリンを噴射し、混合気を作り出しています。
しかし、キャブレターには自動車や特殊な車両を除き、ガソリンを送る燃料ポンプも、噴射量を調節するインジェクターがなくとも、吸入空気量に応じたガソリンを、吸入空気と混ぜることができるのです。

キャブレターの原理

一般的なキャブレターには、フューエルチャンバーと呼ばれる燃料溜りがあり、そこから必要な量の燃料を吸い上げていますが、電機なども使わず、燃料を吸い上げられる仕組みは、負圧を利用しているのです。
キャブレターの限られた通路を空気が通る際、先述したエンジンの発生する負圧にによって勢いよく吸われていくのですが、空気は、流れる空気の流速が上がると負圧が発生するという特性があります。
つまり、キャブレターの中を流れる空気に負圧が発生し、大気圧と圧力差ができることにより、大気圧に保たれているフューエルチャンバーの燃料が吸われるのです。(この現象をストロー効果と言います。)

さらに、キャブレターにはベンチュリーと呼ばれる”絞り”が設けられ、さらに通路を狭くすることで、
通る空気の流速を上げる工夫がされています。

キャブレターの調整

ここまで読んでいただくとわかるように、キャブレターの原理は、あくまで負圧などを利用した、”現象”でしかなく、そのままでは満足にエンジンを運転することはできません。
そのため、必要になることは、空気と燃料を調整することです。

空気はスロットルバルブの開度によって調節できますが、ガソリンの量はそう単純には調整できませんが、その仕組みを細かくご説明すると、それだけで何ページにもわたってしまいますので、細かな説明は省きますが、一番多いキャブレターの仕組みでは、「アイドリング」「低回転」「中・高回転」と、使用される状況を3つに分け、それぞれの状況に応じた調整を行えるようになっています。

ここからはそれぞれの調整方法を簡単にご説明します。

アイドリング・・・アイドルストップスクリューでスロットルバルブが全閉時の空き具合を調整します。
低回転時・・・スロージェット(パイロットジェット)の番手を変え調整を行い、数字が大きくなるほど出ていく燃料の量は増えます。
中・高回転時・・・メインジェットの番手を変え調整を行い、数字が大きくなるほど出ていく燃料の量は増えます。

エンジンの調子と燃料の濃さ

上記に挙げた調整を行う上で、知っておいていただきたいのが、エンジンにとってガソリンが足りているのかどうかということです。

ガソリンの量というのは、すなわち空気とガソリンの比率、いわゆる「混合比」のことで、混合気に含まれるガソリンの量が多ければ「濃い」、逆にガソリンの量が少なければ「薄い」と表現します。
もちろん突き詰めれば一筋縄ではいかないのがキャブレーターの調整(セッティング)ですが、大まかに言うと以下のような関係になります。

スロットルを早めに開けるとエンストする(回転が下がる)・・・燃料が薄い
スロットルを早めに開けるとゴボゴボと言いながらゆっくり回転が上がる・・・燃料が濃い

ものすごく単純ですが、混合気の濃さがエンジンの求めている比率とかけ離れている場合には、上記のような症状になります。

さらに、点火プラグの焼け具合でも判断でき、点火プラグの先端が白くなっている場合は燃料が薄め、濃い茶色や黒くなっている場合は、燃料は濃いめと判断することができます。

 

バイクで使用されるキャブレターの種類

さて、バイクに使われているキャブレターにはいくつか種類がありますが、大きく分けて2つに分類することができます。
それぞれについて簡単にご説明していきます。

強制開閉式キャブレター(通称VM型)

スロットルと連動して上下するピストンバルブによって、空気の流量を調節します。このとき同時にベンチュリ部の面積も変化します。

スロットルと直接つながっているため、レスポンスがよく、大きさも小さくしやすく、構造は比較的シンプルです。

ただし、アクセルの動きに忠実なため、エンジンの回転に関係なく、必要以上の空気を送り込んでしまうことがあり、ラフなアクセルワークを行うと、息つきや失速しやすいという特徴があります。
後述するCV型に比べ構造はシンプルで小型にしやすいため、50CCの原付バイクなどにはよく使われています。

負圧式キャブレター(通称CV型)

スロットルワイヤーによって開閉するバタフライ式のバルブを開閉させて吸入空気の量を調整し、
さらに、エンジン回転数の上昇に伴って発生する負圧によってピストンバルブが上下し、ガソリンの流量を決めます。

どちらかと言えば、エンジンの求める燃料を自動的に供給してくれるため、ラフなアクセルワークを行っても、息つきや失速などは起こりにくい特徴がありますが、負圧が高まるまでガソリンの供給量は増えないため、あうろっとるを開けてから、エンジン回転が上昇するまでにはタイムラグが生じ、レスポンスはよくありません。
構造は若干複雑になり、部品点数も多くなりますが、扱いやすさという点では間違いないため、市販されているバイクの大半が採用しています。

もちろん上記に挙げた2パターンの中でもさらに細かく分類され、さらに各メーカーとも様々な工夫をこらし、特にカスタムパーツとして市販されているキャブレーターの種類は豊富にあります。

キャブレーター車との付き合い方

最新のバイクにはフューエルインジェクションが採用されているため、気温や気圧が変化しても、バイクが自分で判断し、点火時期や燃料噴射量、さらには燃料噴射時期までをコントロールしているため、常に安定した性能を発揮することができますし、低燃費や低排出ガスなど、環境にも優しくなりました。

しかし、キャブレーター車にはインジェクション車にはない魅力がいくつもあります。
その魅力は、キャブレーターが作動するときの機械音、スロットル開閉時に聞こえる吸入音など耳で感じる感覚や、バイクに乗せられているのではなく、バイクを操っているという一体感などは、インジェクション車では味わえません。

ですが、夏と冬のような気温差や、ツーリングで少し標高の高いところに行くだけで変わるコンディションに悩まされることもありますし、インジェクション以上にメンテナンスには気を使わなければなりませんが、セッティングの決まったキャブレーター車の加速感と、五感で感じると言っても良い一体感は、一度味わったら忘れられない感覚です。

チューニング目的のアフターパーツはもちろん、純正のままでも清掃や、ジェットやニードルなどの小部品交換するだけでも、あなたのバイクが激変する可能性がありますので、ぜひ、このサイトでパーツを見つけ、挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

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