ブレーキ性能回復方法

2020年7月17日メイン整備記事,ブレーキ系

数年前にバイクに乗った時は、ブレーキの効きが良かったが久しぶりに乗ったら効きが極度に低下していると感じていませんか?
それは、ブレーキパッドの研磨粉がブレーキディスクに付着することが原因の可能性があります。
長年乗っていない車両に発生しますがブレーキディスクの研磨粉を取り除くことで改善が期待できます。

今回はブレーキディスクの性能回復方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。

整備情報

  • 交換時期: 1年以上の放置車両
  • 時間: 約5分
  • 費用: 0円~1,600円
    • 紙やすりセット:1,600円
    • 紙やすり:100円(ホームセンターにて購入頂けます)
  • ショップ工賃: 約500円
  • 難易度: ★☆☆☆☆

紙やすりはホームセンターで購入頂けます。

作業手順

ブレーキ性能回復方法

紙やすり320番

320番程度の紙やすりを約10㎠(縦横10cm)に切り取りましょう。

ブレーキディスクを紙やすりで磨く

紙やすりをブレーキディスクに押し付けてホイールを回しましょう。
表面に付着している汚れを落とすように磨きます。

ブレーキディスク 裏側 紙やすりで磨く

ブレーキディスクの反対面も同様に磨きましょう。
紙やすりを持ち替えて新しい面で磨きましょう。
これでブレーキディスクの性能は従来通りに戻ります。

パーツクリーナーでブレーキディスクのダストを除去しましょう。

フロントブレーキディスクも同様に行った後、走行してブレーキに熱を入れてから効きが改善されたか確認してみましょう。

まとめ

  • ブレーキディスクを紙やすり(320番程度)で両面を磨く。

Q&A

  • ブレーキディスクを磨いたのですが、ブレーキ性能は改善されませんでした。
    • 頻繁にバイクに乗っている場合は改善は期待出来ません。長期放置でも改善されない場合は紙やすりの番手が高い(1000番など)と研磨粉を除去が難しいので粗目の番手(320番程度)で研磨しましょう。他の原因は以下の通りです。
      • キャリパーピストンが固着しているとブレーキ性能は回復しません。対策は、キャリパーの溝の汚れとキャリパーピストンの清掃を行うことで改善します。
      • ブレーキフルードが劣化すると、ブレーキレバーが柔らかくなりフィーリングが低下します。対策として、ブレーキフルードを交換(フロントフルード交換はこちら)(リアフルード交換はこちら)する事で改善されます。
      • ブレーキパッドの新品状態とブレーキディスクの中古状態(既存の摩耗したブレーキディスク)を組むことで性能が低下します。中古ブレーキディスクに新品パッドを組む場合はブレーキパッド側の外側を削る事をお勧めします。
  • ブレーキディスクが摩耗して性能が低下する心配はありませんか?
    • ブレーキディスクは紙やすりで直ぐに摩耗するほど柔らかくは無いので紙やすりの研磨により性能が低下する心配ありません。
  • 何故ブレーキディスクを削るとブレーキ性能が回復するのでしょう?
    • ブレーキパッドの研磨粉がブレーキディスクに付着すると鳴きが発生する事が一般的に知られていますが、研磨粉は時間が経つにつれブレーキの効きの低下に影響を与えます。
      紙やすりでブレーキディスクを磨くと状態が悪い長期間乗っていない車両ほどブレーキ性能は回復します。
  • フルブレーキングすれば研磨粉を落とせるのではありませんか?
    • 熱を入れて10回程フルブレーキングも試しましたが改善しませんでしたので研磨粉を落とすのは難しいかと思います。
      対策として定期的にバイクに乗ることで制動力低下を防ぐ事が出来ます。
      制動力が落ちたと感じたら、一度ブレーキディスクを紙やすりで磨いてみましょう。

ブレーキ簡単用語解説

  • ブレーキパッド:ブレーキディスクと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。キャリパーに装着されている。
  • パッドスプリング:ブレーキパッドにテンションを与えブレーキパッドの脱落防止の役割。
  • パッドピン:ブレーキパッドを保持する役割。
  • ピンプラグ:パッドピン脱落防止の栓
  • シム:ブレーキの鳴き防止とブレーキフルードへの断熱の役割。
  • ブレーキディスク:ブレーキパッドと接触する事で熱エネルギーを発生させる代わりに速度を落とす。ホイールに装着されている。
  • ブレーキキャリパー:ブレーキパッドをブレーキディスクへ押さえつける役割。
  • キャリパーピストン:ブレーキパッドを押す
  • ダストシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、雨水やほこりをキャリパー内に入り込ませない役割。
  • オイルシール:キャリパーピストンとキャリパーの間に配置され、キャリパー内のブレーキフルードを留めておく役割。
  • リザーバータンク:ブレーキフルードを一時的に保管する場所。ブレーキフルードが減少すると外から空気が補充して常に大気圧をちブレーキフィーリング低下を防ぐ。
  • ブリーダー:ブレーキフルード交換時にブレーキフルードを排出する役割。
  • ブレーキマスター:ブレーキフルードを圧送する役割。
  • ブレーキレバー:ブレーキマスターのピストンを押し、ブレーキマスターを機能させる役割。
  • テールランプ::後続車へ走っている事を知らせる車体後方のライト。

 

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