バイクのバッテリー交換方法

2020年7月17日メイン整備記事,電装系

バッテリーに既に電解液が入っている製品はサルフェーションによる劣化が始まっているので1年以内に製造された製品を購入すると良いでしょう。
バッテリー端子の脱着はマイナス→プラスの順に取り外し、プラス→マイナスの順に取り付けましょう。

今回はバッテリーの交換方法を解説します。
是非、参考にして頂きたい。

整備情報

  • 交換時期: 約2~5年(バッテリーを充電して側部が45度以上になったら交換の必要有り)
  • 時間: 約10分
  • 費用: 約3,000~20,500円
  • ショップ工賃: 約500円
  • 難易度: ★☆☆☆☆

作業手順

1.バッテリーの取り外し

シート取り外し前

バッテリーの配置の多くはシート下か燃料タンク下に取り付けられています。
参考車両はシート下に配置されているのでシートの固定ボルトを取り外します。

シート固定ボルト取り外しシート取り外しシート取り外し2

シートを取り外しましょう。
シートは主に3タイプの方法で取り付けられているので各方法で取り外しましょう。
詳しくは、シートの取り外し・取り付け方法をご覧下さい。

バッテリー 取り付け状態

バッテリーが確認できました。
バッテリーにはプラス端子に赤いゴムの被覆が被せられています。

バッテリー端子ボルト プラス 取り外しバッテリー端子ボルト 取り外し2

マイナス端子の固定ネジを取り外して端子がバッテリーのマイナスに接触しないように端に退けておきましょう。
マイナス端子を取り外した後にプラス端子を取り外しましょう。

バッテリー 取り外し

バッテリーの固定バンドを取り外してバッテリーを取り外しましょう。
バッテリーを持つ際は傾けないように注意して下さい。

3.バッテリーの取り付け

車体にバッテリーを装着する

バッテリーを車体に取り付けましょう。

バッテリー 端子 清掃

パーツクリーナーとウエスでバッテリー端子に付着したグリスを除去しましょう。

バッテリー 端子 グリス塗布

バッテリー側と配線側の端子に接点グリスを塗布すると良いでしょう。
グリスを塗布することで接点が密着して安定した電気の流れが期待できます。

バッテリー 端子 ネジ取り付けバッテリー 端子 ネジ取り付け3

プラス端子を取り付けた後にマイナス端子を取り付けましょう

バッテリー 固定バンド 取り付けバッテリー 取り付け状態

バッテリーの固定バンドを取り付けましょう。

シート 固定ボルト 取り付け

シート取り付けて固定ボルトを締め付けましょう。
詳しくは、シートの取り外し・取り付け方法をご覧下さい。

まとめ

  • バッテリー取り外し時、マイナス端子を取り外して端に退けた後、プラス端子を取り外す
  • バッテリー取り付け時、プラス端子を取り付けてからマイナス端子を取り付ける

Q&A

  • ユアサのバッテリーの価格がピンキリの理由は何ですか?
    • ユアサ製のバッテリーは同じ型の製品でも3000円~2万円価格差が大きいです。
      この価格の違いは日本のGSユアサが製造しているバッテリーと台湾ユアサとよばれる別会社がライセンスを購入して販売している製品の違いです。
      GSユアサ製は高価ですが台湾ユアサ製は安価です。台湾ユアサの品質は初期不良を除いて定期的な充電を行えば2年以上は使用出来るので台湾ユアサでも問題ないかと思います。
  • どうしてバッテリーのプラス端子に被覆が取り付けられているのでしょう?
    • ドライバーなどの工具がプラスとマイナスを繋ぐように接触すると、間に抵抗が無いので抵抗値が0になり大電流が流れる事でバッテリーに大きな負荷が掛かってしまいます。そこで安全対策としてプラス端子に被覆が被せられています。
  • どうしてバッテリーのマイナス端子を先に外してからプラス端子を取り外すのでしょうか?
    • 安全の為にバッテリーのマイナス端子から取り外します。
      マイナス端子を外している最中にドライバーがバッテリーマイナス端子とフレームに接触した場合はショートしませんが、プラス端子から外した最中にドライバーがバッテリープラス端子とフレームに接触した場合はフレームからバッテリーマイナス端子へ直結される状況になり大電流が流れてバッテリーのみならず電子パーツにも負荷を掛けてしまいます。
  • フレームはマイナスの配線なのですか??
    • 配線というか、フレームは抵抗がほぼ無いので電気が流れます。それを配線の代わりにフレームを使っています。
      例えばセルモーターからバッテリーマイナス端子へ、ヒューエルポンプからバッテリーマイナス端子へ・・・と全ての電子機器からバッテリーのマイナスへ繋いでしまうと配線が多くなり整備性が悪くなります。そこで、各機器のマイナス配線をフレームに繋げ、フレームからバッテリーのマイナス端子へ1本のマイナス配線を引いて回路を作っています。
  • バッテリーの固定するバンドが千切れていたのですが、無くても大丈夫ですか?
    • バッテリーの固定バンドは必要なので純正部品を注文しましょう。バイクは傾くので固定されていないとバッテリーのケース内で暴れてしまい配線に負荷が掛かる可能性があります。
      純正部品が届く前にバイクに乗るのであれば結束バンドを使って留めておきましょう。
  • 接点グリスって効果あるのでしょうか?塗布する箇所はバッテリー端子以外にもありますか?
    • 効果はあると思います。金属同士は点接触になり易いといわれているのでグリスを介在させる事で面接触へと近づける事が期待できます。あとは腐食の防止も期待できます。
      接点グリスを塗布する箇所は、バッテリー端子・イグニッションコイルとプラグケーブル間・バッテリーのマイナスアース(セルモーター)です。電気の集まりやすい箇所やカプラーやギボシ以外の箇所に塗布すると良いでしょう。
  • バッテリーの端子を締め付けているのですが、締め付ける感触がありません。何故でしょうか?
    • cdi等の配線の端子を介在させているのではないでしょうか?バッテリーの固定ネジの対象には固定ナットが取り付けられており、ネジとナットのネジ山が噛み合わないと締め付ける事は出来ません。
      一度バッテリーを取り外して固定ナットを取り外しましょう。バッテリー側部からナットを取り外し・取り付けできます。ナットには接点グリスを多く塗布してから再度取り付けましょう。取り付けたナットを端子の上側に寄せましょう。グリスを多く塗布する事でグリスの力でナットが下部まで下がらずに固定ネジを締め付けし易くなります。バッテリーを車体に取り付けて固定ネジが締め付けられるか確認しましょう。締め付け出来ない場合は、マイナスドライバーや配線ドライバーで固定ナットを浮けて固定ネジを取り付けましょう。

 

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