バイクのエアクリーナー交換方法

2020年7月18日メイン整備記事,吸気&排気系

エアクリーナーエレメントが詰まるとエンジン内へ送る空気の量が少なくなる事で空燃比が濃くなりエンジン不調になる場合があります。
エアクリーナーエレメントは車検のある2年毎に点検し汚れていたら清掃、もしくは交換しましょう。

今回はエアクリーナーエレメントの交換方法について解説します。
是非、参考にして頂きたい。

整備情報

作業手順

1.エアクリーナーエレメントの取り外し

燃料タンク 取り外し

エアクリーナーエレメントは燃料タンク下かシート下辺りに取り付けられています。
燃料タンク下に取り付けられている場合は燃料タンクを取り外します。
シート下に取り付けられている場合はシートを取り外すか、シート下のサイドカウルを取り外すと外れるタイプがあります。

本記事では燃料タンクを取り外すタイプを解説します。
燃料タンクの取り外しの詳細は、燃料タンクの取り外し・取り付け方法をご覧下さい。

エアクリーナーボックス 固定ネジ 取り外しエアクリーナーボックス 固定ネジ 取り外し2エアクリーナーボックス 取り外し

エアクリーナーボックスの上側から固定ネジか金属のバンドで取り付けられているので取り外しましょう
するとエアクリーナーボックスが上下に2分割されます。

エアクリーナーボックス 取り外し2エアクリーナーエレメント 取り外し

エアクリーナーエレメントを取り外しましょう。

2.清掃

乾式エアクリーナーエレメント

乾式エアフィルター

 

ろ紙でゴミを取り除く乾燥したエアクリーナーエレメントで、再利用は可能です。
見分け方は指でろ紙を触ってみてオイルが付着していない場合は乾式エアクリーナーエレメントです。
キャブレター側からエアーを吹き付けてホコリを飛ばして清掃します。

湿式エアクリーナーエレメント

湿式エアフィルター

 

ウレタンフォーム(スポンジ)にオイルが付着しているエアクリーナーエレメントで、再利用は可能です。
見分け方は指でウレタンフォームを触ってみてオイルが付着している場合は湿式エアクリーナーエレメントです。ウレタンフォーム(スポンジ)なのも大きな特徴です。
調理用ボウルなどのお椀型の容器に灯油を入れて優しく揉んで汚れを落として自然乾燥させた後、エンジンオイルやギアオイルを塗布します。
専用オイルもあります。

ビスカス式エアクリーナーエレメント

ビスカス式 エアフィルター

 

ろ紙にオイルが付着しているエアクリーナーエレメントで、再利用は不可能です。
乾式と湿式をミックスさせたようなエアクリーナーエレメントで乾式のろ紙にオイルが染み込ませてあります。
見分け方は指でろ紙を触ってみてオイルが付着している場合はビスカス式エアクリーナーエレメントです。

エアクリーナーエレメント 取り外し2エアクリーナーボックス ブローバイ

4サイクルエンジンの場合、エアクリーナーボックスにはオイル(ブローバイ)が少なかれ付着していると思います。

エアクリーナーボックス ブローバイ 拭き取りエアクリーナーボックス ブローバイ 拭き取り2

ブローバイをウエスとパーツクリーナーで拭き取りましょう。

エアクリーナーボックス ブローバイ 固まりエアクリーナーボックス ブローバイ 固まり 除去エアクリーナーボックス ブローバイ 固まり 除去2

ブローバイが固着しているようならシールはずしドライバーで擦ると良いでしょう。
マイナスドライバーだと傷が入る可能性があるのでご理解のうえ使用して下さい。

3.エアクリーナーエレメントの取り付け

エアクリーナーエレメント 取り付けエアクリーナーエレメント 取り付け2

新品のエアクリーナーエレメントを取り付けましょう。

エアクリーナーボックス 取り付けエアクリーナーボックス 取り付け2エアクリーナーボックス 固定ネジ 取り外し3

エアクリーナーボックスを被せて固定ネジ・バンドを取り付けましょう。

燃料タンク 取り付け2

燃料タンクを取り付けましょう。
燃料ホースはジョイントの根元まで確実に取り付けましょう。
詳しくは、燃料タンクの取り外し・取り付け方法をご覧下さい。

まとめ

  • エアクリーナーエレメント清掃時、以下のように行う。
    • 乾式:空気を入ってくる方に向けてエアブローを行う。
    • 湿式:容器に灯油を入れてエアクリーナーエレメントを揉んで洗って自然乾燥した後、オイルを塗布する。(ギアオイル・4サイクルエンジンオイル・専用オイル)

Q&A

  • エアクリーナーボックスを取り外す際にインシュレーターが外れてしまったのですがこのまま取り付けて使っても大丈夫ですか?
    • そのまま使用しても問題になる可能性は低いと思いますが、コーキング剤で塞ぐ事が望ましいです。
      エアクリーナーボックス取り外し時にエアクリーナーボックスを引っ張って取り外すとコーキング剤が剥がれてインシュレーターだけが外れてしまう場合があるので、インシュレーターに手を掛けて取り外すようにしましょう。
  • エアクリーナーボックスのメリットって何ですか?
    • 純正エアクリーナーボックス
      • 吸気音が静か
      • 冷えたフレッシュな空気を確保できる
      • 天候に左右されない
      • ラムエアを効率良く利用できる
  • ブローバイについて分かり易く教えて下さい。
    • 燃焼室で混合気(ガソリンと空気)が爆発されていますが爆発した際にピストンとシリンダー壁の隙間からクランクケース下に燃えなかった混合気が流れます。
      このクランクケース下に流れた燃えなかった混合気にエンジンオイルの蒸気が加わったものをブローバイと呼びます。
      ブローバイは必ず発生し、外に排出すれば大気汚染となる事からエアクリーナーボックスに戻してもう一度燃焼室まで運んで再度燃焼させる仕組みを取っています。
  • 社外品の純正タイプのエアクリーナーエレメントが安く売られているのですが、そちらでも性能は変わらないでしょうか?
    • ブランド品なら性能は考えて作られているかと思いますが詳しい事は分かりません。以前、純正タイプの社外エアクリーナーエレメントを取り付けた際に作りが粗くてエアクリーナーボックスの溝に綺麗にはまらなかった事はあります。中国製は特に作りが良くない製品が多い印象で加工する事が多いので国産のブランド品を使用すると良いでしょう。
  • 乾式エアクリーナーエレメントの清掃で、キャブレター側から吹く理由は何かあるのでしょうか?
    • 外気はエアクリーナーエレメントを通ってキャブレター側に送り込まれるので、キャブレター側からエアブローする事でホコリが通ってきたルートから出ていきやすくなります。反対に、エアクリーナーエレメントの外側からキャブレター側にエアブローするとホコリをエアクリーナーエレメントに潜り込ませる事になってしまいます。なので、キャブレター側からエアブローを行う事が望ましいです。
  • 車検に出せば点検と交換はしてくれているのでしょうか?
    • 車検整備に含まれている場合が大半です。

 

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